書評その104 頑張らなくても意外と死なないからざっくり生きてこ カマたく著
「頑張らなくても」というタイトルに惹かれて読みました。
凄く面白かったです。大変お勧めします。
著者は新宿・歌舞伎町のゲイバーの店員さんです。ご本人もゲイです。
ツイッターのフォロワーが78万人もいるらしいです。
とにかく固定観念に縛られない発想と行動が凄いと思いました。
中学1年から売春しているだけのことはあると思いました。
一番凄いと思ったのは、付き合う前にセックスするという行動指針でした。
僕は付き合って親しくならないとセックスさせてもらえないとばかり思い込んで生きてきましたが、逆の発想で生きている人がいて、しかもそれを本やツイッターで公開しているのも凄いと思いました。イケメンだから可能なのかもしれませんが。
(でも付き合う前にセックスするのはゲイとしてはそれほど珍しいことでもないとか)
著者はとにかく仕事ができる人です。飲食店で働く事が多かったようですが、どこでもだいたい店長まで昇格するし、店長として赤字店舗を立て直したりと、とにかく有能です。
プレーヤーとして有能なだけでなく、店員の指導も的確で、こんな上司の元でなら働けるかもと思ってしまいました。
あと、仕事のできる人は働きたくない人を甘えてると断罪する人が多いと感じるのですが、著者は働きたくない人を擁護していたので好感が持てました。
あと僕はこういう成功者の話を聞くと、最近はどうしてもその人の家庭環境や生い立ちが気になってしまいます。なぜなら、三つ子の魂百までという諺が正しそうな気がしているからです。三歳までに虐待を受けたら100歳まで助からないという気がしているからです。
著者の父親は暴力や虐待、ギャンブル、酒、子どもへの売春強要など絵に描いたような最悪な父親でした。
そんな父親の元からこんなに優秀有能で性格も素晴らしい人間がどうして生まれたのかと思いましたが、その秘密は母親にありそうな感じを受けました。
この本では母親の話はほとんど出てきませんでしたが、母親が著者の心の安全基地として機能していたような感じは受けました。