我慢をやめる生き方へ

我慢することをやめ、やりたくないことはやらない生き方を貫いていきたいと思います。

書評その148 宇宙学校 滝沢泰平著

正直、この本を読んで滝沢泰平さんに対する印象がガラッと変わりました。

滝沢さんと言えば、天下泰平という人気ブログでスピリチュアルな情報を発信していて、古事記などに出てくる日本の昔の神々のことに詳しいから、ちょっと宗教的な人ではないか、ちょっと敬遠しておきたいかなと実は思っていました。僕はもう神道も含めて宗教にはコリゴリですからね。

しかし、この本を読んで、地に足をつけてやるべきことを着々とやる人で凄いなと思いました。著者の活動を応援したいし、できれば一緒にやっていきたいとも思うようになりました。

 

この本は著者のプロフィールから始まり、今やっていること、これから目指していることが分かりやすく書かれていました。

さすが、月間100万アクセス超という人気ブログを書いてきた人だけあって、とても分かりやすい文章ですらすら読めました。

 

著者は若い頃から、人はなぜ生まれ、どう生きて、死んだらどうなるかなどを考え続けてきた人でした。そこからスピリチュアルな分野に関して調べ続けて情報発信しているうちに人気ブロガーになったということでした。しかし、今は情報発信には昔ほど興味がなくなり、日常生活を大切にするようになったということでした。僕も最近情報発信に興味がなくなり、日常生活をどうするかの方に興味が出てきたので、同じだなぁととても共感できました。

 

今は山梨県の標高1000メートル近い冷涼な地域に住み、自給自足に向けて着実に進んでいる印象を受けました。

まず最初に水。井戸を掘って飲み水を自給。次に火。薪ストーブを完備し、暖房も自給。

そして食料。これも自然栽培による農業で自給。

生活排水も微生物で浄化し、生活排水で環境を破壊しないようにしていました。

これらのことを読んでいて、アイルランドのマーク・ボイルさんを思い出しました。

マーク・ボイルさんも自給自足の生活をしていましたが、なぜか自分には真似るのは無理かなと思ってしまうところがありました。

しかし滝沢泰平さんが日本人だからなのか、日本でやっているからなのか分かりませんが、なぜか僕でもできそう、一緒にやってみたい、と思わせるものがありました。

 

滝沢泰平さんが八ヶ岳山麓山梨県北杜市に引っ越したのは2013年夏頃だそうですが、八ヶ岳には不思議と滝沢さんと同じような意識の人がたくさん集まっているらしく、そこも魅力的に感じました。

滝沢さんは同じような意識の人をもっとたくさん呼び込んで、助け合いのコミュニティを作ろうとされていました。

僕もこれからの時代、助け合いのコミュニティにこそ、生きる鍵があると思っていましたが、一体どうやったらそういうコミュニティを作れるのだろうかと考えあぐねていました。

滝沢さんはそこから一歩進んで、世界各地のすでにある助け合いコミュニティを見学し、いいところを日本に持ち帰っているようでした。

この本では、イタリアのダマヌールというコミュニティとイスラエルキブツというコミュニティが取り上げられていましたが、ゼロからコミュニティを作り上げていくよりも、すでに上手く行っているコミュニティからいい部分を学んで取り入れるという姿勢には非常に共感を覚えました。

 

イスラエルキブツでは、育児についても独自の取り組みをしており、「一人の母親が一人の子供の面倒を見るのは非効率的」という概念から、子供は子供棟で早い段階から集団生活をし、「親ではなく育児専門のスタッフが子供たちの面倒を見るという形を取ってきました」という部分が非常に印象に残りました。というのも、全く同じことを考えていたからです。やはり、「大勢の子供を大勢の大人が一緒に面倒を見る」形こそいいのではないかと思っていたんです。ただし、今の保育園とは似て非なるものです。今の保育園は「大勢の子供をギリギリまで少人数の大人が面倒を見る」ことでいろいろな問題が起こっていると感じています。

「母親の誰もが24時間、365日育児をしなければならない」という考え方はキツイと思います。育児もやりたい人、得意な人が分担して助け合ってやっていくというキブツのスタンスに非常に共感を覚えました。

 

今の日本に山積する問題も、この本に書かれているようなコミュニティが広がっていけば解決できそうだと思ったし、まず何よりも僕自身がなんだかやる気が出てきました。

東京で暮らしていると、周りに価値観の合う人がほとんどいなくて、働く意欲も湧いてきませんが、滝沢さんが目指している社会、世界を作るという方向ならやる気も湧くし、働けそうだなと思いました。