我慢をやめる生き方へ

我慢することをやめ、やりたくないことはやらない生き方を貫いていきたいと思います。

書評その148 躁鬱大学 坂口恭平著

今通っている精神科の医師から勧められたので読んでみました。

今ちょうど鬱気味だったので「本を読む」ということ自体が大変で2回読むのに1か月もかかってしまいました。

坂口恭平さんの本はこれまでもいくつか読んできました。「モバイルハウス 三万円で家をつくる」「TOKYO 0円ハウス0円生活」「ゼロから始める都市型狩猟採集生活」「隅田川エジソン」など。どれも本当に学ぶことが多く、秀逸な内容ばかりでした。今回の躁鬱大学も非常に得るものがありました。

坂口恭平さんというと、作家で建築家で画家で音楽家でと多彩な才能があって羨ましいなぁと思ってきましたが、実は今の安定した収入を得られるようになるまでにはいろいろな苦労をされてきたことが分かり、とても共感できました。

本当に僕と似たようなご経験をしてきており、ほんとに似てると思いました。

僕は父親とも体質が似ていたのですが、その父親が長らく働いていた築地市場で坂口さんも働いていたことを知り、非常に親近感を得ました。

坂口さんも僕も僕の父親も、いわゆる普通の会社で働くということが苦手なのも共通していました。

僕は自分が躁鬱気質を持っているとは気づかなかったのですが、坂口さんと気質が似ていることや、掛かりつけの精神科医からも勧められたことからも、躁鬱気質を持っているんだと認識してこれからの人生を生きていこうと思いました。

やっぱり普通に就職して生きるのは難しい気質だし、無理して会社に合わせる生活をしていると鬱になると書かれていました。

確かにそうだなと思いました。会社で働いていた頃は毎日死にたい気持ちを抱えていました。

会社で働くのは無理だと開き直った途端、死にたくなることがほとんどなくなりました。

その代わり躁鬱気質を持った人は生涯、お金に困る人が多いらしいですね。全く以てその通りだなと思いました。

坂口さんほど多彩な才能はありませんが、僕も何かの分野で世界最高の才能があるらしいので、それが見つかるようにいろいろなことに手を出し、あっちへフラフラこっちへフラフラしていこうと思いました。

それにしても、この本の下地になっている精神科医神田橋條治さんの神田橋語録も凄いなと思いました。

今まで自分のダメさ加減を責めてしまうところがありましたが、神田橋條治医師、坂口恭平さんと精神科の先生から理解してもらえた感を頂けたので、これからはもっと胸を張って生きていこうと思わされました。

躁鬱病だと思っていない人にはあまり意味のない本かもしれませんが、僕自身がそうであったように、本人が躁鬱病であることに気づいていないこともあるので、鬱的な気持ちを持っている人は読んでみるのもいいかもしれませんね。

僕はこの本の原典とも言える「神田橋語録」というPDFファイルをこれから読んでみようと思います。