書評その127 精神科のヒミツ 藤本修著
大病院の精神科部長まで務め、その後、御自身でクリニックを開業された現役精神科医が書いた本です。
「精神科のヒミツ」というタイトルなのでどんな裏話が出て来るのか期待して読んだのですが、「ヒミツ」という言葉を使うほどそこまで暴露的な内容はありませんでした。
むしろ精神科医に対する見方がガラッと良くなりました。
今までの精神科医に対するイメージは、患者の話をロクに聴きもしないで薬漬けにするだけして治さない製薬会社の営業マンというような感じでした。
でもこの本を読んで、患者を治して元気にするためにあの手この手を使って頑張って下さっている真摯で誠実な専門家というイメージに変わりました。
あと、精神科医も精神的に大変な商売だなと思いました。
と言うのも、ケースワーカーや社労士や企業の人事担当者など、いろいろな人から要求を突き付けられてしまうようで、いろいろな人間関係の板挟みになっているような立場であることがよく分かりました。
診断書をどう書くかは医者の仕事なのに、これこれこういうふうに書いてほしい、書いてくれないと困るなどと、医者の領域を土足で穢すような要望も突き付けられるらしいです。
楽して儲かる商売では全然ないなと思いました。
この本はそこまで業界の裏事情を暴露しまくりの内容はなかったのですが、精神科に関わっている人は読んで損はないと思います。僕も読んで良かったと思います。
精神科は他の科と違って、血液検査などの数値的な物で客観的に判断できない病気が多いそうです。
つまり、同じ患者が医者によっていろいろな判断になるらしいのです。
と言う事は、合わないお店であると思ったら患者は迷うことなく、別のお店に変えるという決断が必要なんだなと感じました。
888の意味…これからは経済的に豊かになれます。