我慢をやめる生き方へ

我慢することをやめ、やりたくないことはやらない生き方を貫いていきたいと思います。

書評その48 未来のセックス年表 2019-2050年 坂爪真吾著

性問題解決の第一人者、坂爪真吾氏が2019年3月に出版した本です。2019年から2050年までの性に関する日本の未来を予測・予想しています。

予測・予想の軸となっているのは「人口減少」と「人工知能」です。

読んでいて、正直あまり希望は感じませんでした。「明るい未来」とは言い難いものがありました。多くのデリヘル嬢が稼げなくなるとか、バーチャルリアリティーで性欲を満たす人が増えて来るとか…

僕は、未来というのは決まった物があるわけではなく、今の私たちの選択次第でいろいろなパターンがたくさん生まれてくると思っています。

ですので、著者が予測した未来は確定したものではなく、多くのパターンの中の有力な1つであり、もっと良くする事は可能だと思いました。

でも著者はあえて暗い未来を描き、技術革新に任せるだけでは明るい未来にはならないよと警鐘を鳴らしたかったのかもしれません。僕も同感ですね。性的格差が拡大するだけになる可能性が高いと思います。金持ちは生身の人間とたくさんの愛人契約を交わす一方で、貧乏人はバーチャルリアリティーを見ながらオナニーするだけという事になり兼ねないと感じました。

技術をどう使うか、どう使わないのか、そういう議論もないままにただ流されるだけになっている現状は危ういというスタンスなんだと思います。僕もそう思いますね。

著者は「人口減少」と「人工知能」という二つの軸を中心に未来を予測していましたが、これに「経済的格差拡大」という軸や「所有からシェア」という意識の変化、経済的階層ごとの性的動向なども加えて欲しかったと思います。