書評その30 中高年ひきこもり ―社会問題を背負わされた人たち― 藤田孝典著
僕は今「中高年ひきこもり」状態ですね…
なかなか自分の現実を認めたくなくてもがいて足掻いてきましたが、ありのままの自分を認め受け入れる事に切り替えてからやっと自分の現実に向き合う事ができるようになったと思います。
それでやっとこういう本にも手が出せるようになりました。
僕と同じような状態の人が今日本には110万人もいるようですね。
そしてそのうち、中高年は60万人もいるんですね。
僕はこれらの人と凄く気が合うような気がします。
なぜなら、ずっと同じ苦しみと悩みを抱えてきたんですからね。
今までは孤立していた人たちがネットで繋がったりリアルで繋がれるようになったのは良い事だと思います。これもネット社会になったお蔭ですね。
当事者が集う集まりがあるようなので今度行ってみようかなと思いました。
この本の概要は下記の通りです。
第1章…中高年ひきこもりの人たちは実際どんな人たちなのか?
第2章…4人の当事者の生の声。
第3章…中高年ひきこもりが生まれる原因。
第4章…相談先や関係機関の紹介、当事者たちが語る提言など。
この本は本当に良かったです。ひきこもりの立場に寄り添った提言をしてくれています。
今までのひきこもり対策というと、一言で言えば「甘ったれてないで働け」という事であり、いかに「引っ張り出して働かせるか」だったと思います。
この本の主張が今までと違う所は、本人の努力だけに帰結させない所だと思います。
中高年ひきこもりの一番の原因は職場でのパワハラや長時間労働やストレスです。ですので本人の努力だけにフォーカスせず、パワハラや長時間労働などの労働環境の改善が重要という提言にはとても納得しました。
つまり、今の様な社会構造を続けている限り、今後もパワハラや長時間労働やストレスが増え続け、それに伴って中高年ひきこもりは増え続けるという結論なのです。
東日本大震災をきっかけに、当事者同士の繋がりや助け合いが重要だと認識する公務員が増えたそうです。
その結果、当事者の要望を無視した対策を押し付ける支援から、いかに一人一人の当事者を助け、一人一人が豊かに幸せに暮らせるかという所に次第に焦点が移ってきているという話にはとても希望を感じました。
この本で紹介されていた役に立つサイトは下記の通りです。
KHJ全国ひきこもり家族会連合会
https://www.khj-h.com/
楽の会リーラ
http://rakukai.com/
ひきこもりUX会議
https://uxkaigi.jp/
ひきこもり新聞
http://www.hikikomori-news.com/