書評その20 縄文を創った男たち ~信長、秀吉、そして家康~ 上巻 さくやみなみ著 イラスト・みづ
これは信長、秀吉、家康を中心とした小説です。
物凄く感動しました。
心を揺さぶられ、途中少し涙ぐんでしまう時が何度かありました。
物凄くお勧めします。
僕は昔からなぜか信長が大好きで、信長の小説や漫画、映画、ドラマ、ゲームはいつもチェックし、ほとんどの物を見てきたと思います。
僕が見てきた中では一番感動しました。
何が良かったかと言うと、武将たちの場面場面での心理描写です。
なるほど、そういう気持ちになったから戦を始めようとしたのか…なるほど、そういう気持ちになったからそう行動したのか…と納得する事ばかりでした。
やっぱり一番印象に残るのは何と言っても信長の夢ですね。
信長がなぜ天下人を目指したのか、それは身分による差別のない社会を築く為だったんですね。
タイトルにある「縄文」というのは縄文時代の縄文です。縄文時代は身分による差別のない社会だったらしいです。
弥生時代に入ると大陸から人がたくさん流入してきて、それに伴って、土地の所有が始まり、土地を持っている人が権力を持つようになってしまった。その権力争いが弥生時代から信長のいた戦国時代までずっと続いてきたので、それを縄文の頃のような権力や所有や差別のない社会に創り変えようとしたのが信長の夢だったというのです。
この本を読んで信長さんがますます好きになりましたね。この本を読むまでは少し畏れ多い気持ちもありましたが、読んでからは友達になれそうな人だなと思いました。