我慢をやめる生き方へ

我慢することをやめ、やりたくないことはやらない生き方を貫いていきたいと思います。

書評その136 生活保護のもらい方 ―窓口担当者がていねいに教える― 茶々天々著

生活保護に関する本はいろいろ読んできましたけど、この本がダントツで一番ですね。

著者は現場のケースワーカーを指導する「査察指導員」という立場の人です。スーパーバイザーみたいな人ですね。だから裏の裏まで熟知されています。その人がここまで手の内をバラしてくれるのかと感心するほどの内容が書かれていました。何といっても悪魔の手口を26個もバラして下さいました。ありがとうございました。

生活保護の本の著者と言えば、今までは支援者か研究者か受給者のどれかだったと思います。この本はケースワーカーの上司である査察指導員ですからね。この人以上に内部事情を知っている人がいるとすればもはや生活保護課の課長とか厚労省の担当役人しかいないと思います。

生活保護に関して何か1冊お勧めの本は?と言われたら迷わずこれを勧めます。

この本を読むと得する人は、生活保護を受けようか迷っている人、将来生活保護を受ける可能性を感じる人、生活保護を受けたい人、生活保護受給中の人、現場のケースワーカーです。

今まで生活保護に関する最高の本と言えば、「健康で文化的な最低限度の生活」という漫画だったのですが、あの漫画よりも裏話的なものもたくさん収録されているし、非常に広範囲な内容がコンパクトにまとめられています。

この本の唯一の欠点を上げるとすれば、新規で生活保護を申請するときには、市議会議員と一緒に行くのがいいと勧めていた点です。確かにそれはそうですけど、精神的にハードルを感じませんか。僕は感じますね。何の面識もない市議会議員に一緒に役所までついて行って下さいと頼めるほどの強心臓はないです。そんなことができる度胸があれば生活保護を受給するほど困窮はしないと思いました。市議会議員でもいいですけど、やはり申請者に寄り添ってくれるホームレス支援のNPO(例、もやい等)の人に一緒に行って頂くというのが一番やりやすいのではないかなと思いました。