我慢をやめる生き方へ

我慢することをやめ、やりたくないことはやらない生き方を貫いていきたいと思います。

映画評論その10、11 「プリズン・サークル」「ライファーズ」ネタバレあり。

どちらも刑務所を撮影したドキュメンタリー映画です。

お勧めできる映画でした。

 

以下はネタバレを含みますので、これから見たいから内容は知りたくないという人は読まないで下さいね。

 

どちらも坂上香監督で、僕は両方を同じ日に同じ映画館で見ました。

映画の内容が似ているので、同じ記事で紹介したいと思います。

 

ライファーズアメリカの刑務所の話で、ライファーズとは終身刑の受刑者のことです。

プリズン・サークルというのは、刑務所の中で受刑者同士が輪になって身の上話を打ち明け合う場のことです。

ライファーズの中でも、プリズンサークルの中でも受刑者同士が輪になって身の上話を打ち明け合う場面がありました。

この「似たような経験をした者同士」が「輪になって」(相手を批判したり拒絶したりすることなく)「身の上話」を「打ち明け合い」、「聞き合う」「受容し合う」という「体験」が受刑者の更生と回復に大きな効果を及ぼしていることが描かれていました。

ある刑務所ではこのようなプログラムを受講した受刑者の再犯率が通常の半分以下に減ったそうです。

それほどまでにこの「打ち明け合う」という体験が重要で効果的なんだなと実感しました。

似たような体験をした者同士だからこそ、相手の話を関心を持って尊重して聞く事ができるし、そういう中を生き延びてきたことに対して尊敬心を持つこともできるんだろうなと思いました。

具体的にどんな話が打ち明けられていたのかというと、たいていは子供時代に親から受けた虐待の話でした。ライファーズでは終身刑となった凶悪犯罪者の多くが幼少期に親から性的暴行を受けていたことを打ち明けていました。

プリズンサークルでの打ち明け話も親からの虐待やネグレクト、預けられた施設内でのいじめなどでした。

話を聞いていて、こんな境遇で生きてきて、まともに育つことは無理だと実感しました。

この2つの映画を見て思ったのは、自助グループでの語り合いの場が重要で、僕自身もそういう場に参加していこうと思ったことでした。

あと、最後まで釈然としない思いを拭えなかったのは、子供に性的暴行などの凶悪犯罪を実行しておきながら「証拠がない」ということで何の刑罰も受けずに生きている親がいるということでしたね。

家庭という密室は本当に虐待と犯罪の巣窟だと実感しました。

僕は映画を見ながら、どうしたら家庭という密室で虐待や犯罪が起きないようになるかをずっと考え続けていました。

1、いじめのない社会を作る。

親が社会でいじめられ、その怒りとストレスを子供にぶつける図式があるから。

2、すべての人が経済的に困らない社会を作る。

お金や時間がなくて心に余裕がなくなり、そのストレスのはけ口が子供に向かうから。

3、支配のない社会を作る。

性的暴行をする加害者は性欲を満たすために性的暴行をしているのではなく、支配欲を満たすのが目的である場合が多いという話を聞いた事がある。支配・被支配という階級社会ではなく、すべての人が対等な関係を結べる社会に切り替える。

3、性的に満たされた社会を作る。

相手の同意を得ない暴行という形を取る必要がないほど、すべての人が性的に満たされた社会を作る。性的競争社会から性的共生社会に切り替える。