我慢をやめる生き方へ

我慢することをやめ、やりたくないことはやらない生き方を貫いていきたいと思います。

書評その90 ADHDの正体 ーその診断は正しいのかー 岡田尊司著

読んでいて納得することばかりでした。やっぱりな…という気持ちです。

ADHD(注意欠如多動性障害)の正体は何か?

結論から言うと、ADHDと診断されている症状の多くは本来のADHDではなく、愛着障害である場合が多いということでした。

愛着障害とは、「虐待やネグレクト、養育者の交代などの養育要因により愛着(愛情による絆)形成に破綻を来たし、対人関係の障害や身体的、情緒的、社会的発達にも問題を生じる状態」です。

そして愛着障害を治すには薬はいらないことが多く、多くの場合、親が態度を改めることで子どもの症状が治まっていくらしいです。

 

もちろん親から虐待された過去を持っていても立派に子育てをし、子どもと安定した愛着(愛情による絆)を作り、子どもも問題なく成長するケースもたくさんあるそうです。

そういった母親がどういう人なのかを調べた研究もあるそうです。

その研究によると、彼女たちは振り返る力(内省機能)が高く、自分の身に受けた経験を客観視し、また、自分の親の立場に立って状況を見つめ直すことで恨みや怒りの感情に囚われずに済んでいたそうです。

振り返る力や自分を客観視する力、相手の立場で状況を受け止める力、恨みや怒りの感情に囚われない力を養成するにはどうしたら良いかというと、そういう能力のある人と出会い、接する中で徐々に身に付けて行くのが最も近道だそうです。

身近にそういう人がいない場合は、治療者やカウンセラーなどの中からそういう能力のある人を見つけ、自分の気持ちを汲んでもらう体験を積むことによって、やがて同じように振る舞えるようになるそうです。