我慢をやめる生き方へ

我慢することをやめ、やりたくないことはやらない生き方を貫いていきたいと思います。

書評その86 はじめての不倫学 ―「社会問題」として考える― 坂爪真吾著

性問題の第一人者・坂爪真吾さんが「不倫」という物をどう扱うのか、興味津々で読みました。

「不倫」を「不倫学」として「社会問題」として捉える視点にも惹かれました。

不倫と言うと今までは小説で学ばないといけない状況だったと思います。

ただ僕は小説があまり好きではなくて、不倫を扱った小説を読めていませんでした。そんなこともあり、社会問題として書いてもらえたので助かりました。

 

内容は、不倫というものを幅広い視点から紹介してくれていたので、不倫について初めて学ぶ入門書としては良かったと思います。

ですが、解決策的な提言みたいなものが少ししかなかったのは残念でした。

しかもその解決策的なものは大なり小なりお金が掛かるものばかりだったので、貧乏人には手が出ないものばかりだったのでガッカリしました。

結局お金を出せば解決できてしまうことが多いし、お金がないと解決できないことばかりという資本主義社会の冷厳な現実を見るような思いでした…

 

不倫で悩む人はある意味、性的強者だと思います。

性的強者というのは、一言で言えばモテる人です。

魅力がある人、コミュニケーションスキルが高い人、積極性・行動力がある人(自己肯定感・自尊感情の高い人)、経済力のある人、社会的地位の高い人などです。

この本は主に性的強者が家庭を壊すことなく上手く不倫する方法が書かれていたように感じました。

この本でほぼ書かれていなかったのは、性的弱者(魅力がない人、コミュニケーションスキルが低い人、積極性・行動力がない人、経済力がない人、社会的地位の低い人など)がいかに性的に幸せになるか、という点でした。

つまり、性的競争社会が永続することを前提に書かれていました。

競争じゃなくて共生はやっぱり無理なんですかね…

重度身体障害者への射精介助をNPOとしてやっている著者だからこそ、性的弱者への配慮がこの本にもあって欲しかったなと思いました。

この本を読んでいてまた思い出したのが、漫画「自殺島」で描かれていた「サワダ」という男が作っていたコミュニティーです。あれが一番性的共生社会に近いのかなと思いました。

ふと思ったのは、もしかして、人類は性の問題を永遠に解決できないのかもしれないということでした。

人類は元々レプテリアンという宇宙人に遺伝子組み換え技術で作られた生物だという説があります。

そうだとすると、性の問題で苦しめる目的で人類が作られたかもしれないからです。

つまり、人類は性の問題を解決できると信じて頑張っているけど、生物学的構造上、本当は性問題は解決できない種なのかもしれないのかなという気もします。

(生物学的構造…男性はたくさんの女性とセックスしたい人が多く、女性は少ない人数でいいから優秀な男性とセックスしたい人が多い、というような構造上の性質)

 

参考図書

「不倫の惑星」パメラ・ドラッカーマン著

「ハレ婚。」NON作

「ポリアモリー 複数の愛を生きる」深海菊絵著

「マンガでわかるオトコの子の性」染矢明日香著

「不倫のDNA ―ヒトはなぜ浮気をするのか」デイヴィッド・バラシュ著

「盆踊り 乱交の民俗学下川耿史

「人妻の研究」堀江珠喜

「不倫の恋で苦しむ男たち」亀山早苗著

アメリカ性革命報告」立花隆著