書評その92 セックス難民 ―ピュアな人しかできない時代 宋美玄著
凄く分かり易く参考になりました。
著者は「女医が教える本当に気持ちのいいセックス」が累計70万部以上の産婦人科医・宋美玄さんです。
在日韓国人三世らしいです。韓国語読みでは「ソンミヒョン」さんです。
産婦人科医として日々女性の性の悩みに向き合っているだけあって、多くの女性の声を代弁している内容だと感じました。
女性はこの本を読んで悩みを理解してもらえたと思う一方で、男性が読んだら落ち込んだり傷付いたり怒ったりする人がいるかもしれないと思いました。
僕はすでに漫画を読んでいたので大丈夫でした。
「セックス難民」とは、「セックスしたいのにできない人」と定義されていましたが、その中でも特に、相手がいるのにセックスできていない人向けにこの本は書かれていました。要はセックスレスの人を対象にした本でした。
ですので今パートナーがいない場合はすぐに実践できることは少ないと思います。
読んでいて思ったのは、やっぱり男性は年をとっても性欲が強い人が多いけど、女性はどんどん性欲が低下してしまうんだなと少し寂しくなりました。
男性の性欲と女性の性欲にかなり開きがある以上、男性も女性も性的に幸せになるのは(お互いがかなり歩み寄らない限り)難しいのかなと思いました。
男性と女性の性欲の強さに開きがあるため、性欲の強い方(多くの場合は男性)はマスターベーションして性欲を調整するべきだという話もありました。
こう書くと男性にとっては夢も希望もない本なのかというとそうではありません。
潤滑液や電動器具などの道具を使ったり、挿入や射精ばかりにこだわらない生き方など、いろいろな学びはありました。
それにしてもこういった重要な性教育を親からも兄弟からも先生からもどこからも学ぶ機会がないという事自体が本当に異常だと思いますね。
性の話をすることは恥ずかしいことだという洗脳が行き届いているからだと思います。
僕自身今からでも性について勉強していき、自分の子どもにもちゃんとした性教育ができるようになろうと思っています。子どもが性的にも幸せになれるように。
印象に残ったところ
・性経験がないと答えた人の割合(2015年国立社会保障・人口問題研究所)
18歳~34歳の男性…42%
18歳~34歳の女性…44%
・結婚相手、交際相手、セックスをする相手のいる男女が1ヶ月にセックスをする回数(2018年相模ゴム工業)
50代…1.3回
60代…0.9回
・交際相手のいない男女のうち、セックスする相手がいるかどうかという問いに「いない」と答えた人の割合
50代男性…93.7%
60代男性…93.3%
50代女性…96.4%
60代女性…97.8%
・注意すべき潤滑剤の成分
ポリアクリル酸ナトリウム…使用後に膣内に成分がカスとして残ることがある。これが雑菌の栄養となり、膣炎を引き起こすこともある。
グリセリン…膣内に残るとカンジダ膣炎を発症する可能性が高まる。
・枕の距離とセックスレスの関係
枕の距離が離れれば離れるほどセックスレスになる可能性が高まり、寝室が別になるとセックスレスになる可能性が高い。
・ラブグッズ(性的支援商品)販売サイト
ラブピースクラブ