我慢をやめる生き方へ

我慢することをやめ、やりたくないことはやらない生き方を貫いていきたいと思います。

書評その82 Nの肖像 統一教会で過ごした日々の記憶 仲正昌樹著

今は金沢大学で教授をしている著者が、大学生の頃から11年間にわたって在籍していた統一教会での思い出を語っている本です。

著者が入っていた期間は18歳だった1981年から29歳となる1992年まででしたが、僕が在籍していた時とほとんど様子が同じだったので懐かしく読めました。(僕が在籍していたのは1994年から2006年までの12年間です)。

 

この本はかなり中立的に書かれていると思いました。流石は大学教授の文章だなと思いました。

統一教会用語もかなり出てきていましたが、的確に簡潔に説明されているので全く知らない人が読んでも理解できるし楽しめると思いました。

 

著者は東大だったので左翼学生からの迫害が大変だったんだなと思いました。僕の大学には左翼学生がほぼいなかったので良かったです。

ただ、僕が気付かなかっただけでいたのかもしれません。と言うのも、面白そうなサークルがいくつかあって行ってみようかなと思っていたサークルが後で調べてみたら左翼系だったことが分かったからです。そのサークルに行っていたら左翼になっていたんだろうと思います。

 

著者は婚約者が重大な秘密を隠していたことが統一教会を辞める一番の引き金になったと書いていましたが、まさに僕と同じ理由だったのでビックリしました。

 

統一教会(やその学生団体である原理研究会)を辞めると、その後の仕事をどうするのかというのが厄介な問題になるのですが、著者も1年間ほど就職先が決まらず、不安を抱えて苦しまれていたことが分かり、とても共感しました。

著者は東大卒で英語もドイツ語も話せるにもかかわらず、なかなか研究者としての就職ができず、研究者としての職を得るというのは狭き門なんだなぁ、大変なんだなぁと改めて思いました。

 

東大を出て英語もドイツ語も話せて大学教授になるほどの賢い人でも統一教会に嵌るんだから僕が嵌った事は恥ではないし、バカである証拠にもならないんだと自信を得ることができたのは良かったです。