我慢をやめる生き方へ

我慢することをやめ、やりたくないことはやらない生き方を貫いていきたいと思います。

書評その61 ちょっとしたことでうまくいく 発達障害の人が上手に働くための本 對馬陽一郎著

この本は前書きの所に、「主にオフィスで働く人向け」に書きました、と書いてありました。まさにその通りで「事務職」として働いている人向けの本でした。ただ、どんな職種でもこの本に書かれているスキルは必要になってくると思われるので、事務職編としなかったのかなと思いました。

 

本文を読む前に目次を見ましたが、見ただけで気が遠くなるようでした。

発達障害の人にはこれだけの苦手分野があるんだなと思いました。僕もほとんど当てはまりました。

これを読んでいて思ったのは、これだけ事務職としての能力がないなら、この本に書いてある事を努力しまくって克服して事務職として働くよりも、事務職そのものを止めた方がいいのではないかと思いました。

人一倍努力してやっと普通の人と同じか少し下に追いつくだけで消耗し、プラスアルファ的な実績を挙げるための体力は残らないだろうから、出世や昇進はほぼ無理だと思いました。

 

僕もオフィス的な仕事をしていた期間が4年ほど(2年×2回)ありましたが、だいたいどの上司もしまいには怒り狂って僕を怒鳴っていました。嫌な思い出です…

もう二度と事務職はやりたくないと思いました。

 

発達障害当事者がこの本に書かれている内容をどれだけやれるんでしょうか。やった人は本当に凄いと思います。こんなに苦しい事ばかり努力していたら普通に死にたくなるか鬱になって薬漬けになるような気がします。僕は…もういいかな…と思いますね。事務職は合わないんだと諦めます。

 

この本の前書きにも書かれていましたが、発達障害の人に向いている職種は、美術家、漫画家、研究者だそうです。本当にその通りだと思います。間違ってもオフィスで働いたり事務職をやってはいけないと思いました。それは、本人にとっても苦手で苦しい時間になるし、指導する上司にとってもストレスと怒りで体を壊すと思いますし、戦力にはならないので雇用主にとっても利益にはならないと思います…

 

ただ、著者の発達障害者に関する知識、理解、指導経験は他に類を見ないほど抜きんでていると思いました。

僕が著者に願いたい続編は、発達障害者を苦手な分野で働かせるための本ではなく、発達障害者の得意分野や好きな分野で働けるようになる本ですね。つまり、さきほど書いたような美術家、漫画家、研究者になるために参考になる本ですね。