書評その62 やってみよう!おむつなし育児 西山由紀著
今まで「おむつなし育児」に関する本をいくつか読んできましたが、この本が一番実用的で使えると思います。
ページ数が161ページと短いですし、イラストが豊富で実際の赤ちゃんの持ち方とかが文章だけよりも分かり易かったです。イラストがたくさんあるので文章が少なく、育児真っ最中で本なんて読んでられない!というお母さんでも読めるような軽いタッチの本でした。
※「おむつなし育児」は「おむつをしない育児」ではなく、おむつはするけど、おまるやトイレに赤ちゃんを捧げて排泄させてみる育児のことです。
以下に印象に残ったところを書き出します。
排泄のタイミング
・確率が高いのは朝の寝起き。お昼寝のときも。
・授乳前、授乳中、授乳後、授乳後しばらくしてから。食後。
・ホッとした時(外出から帰ったとき、ベビーカーから降ろした時、バスや電車や車など乗り物から降りた時、どこかに到着したときなど)。
・抱っこやおんぶからおろしたとき。
・ママがトイレに行きたいとき! これはかなり確率が高い。ママと赤ちゃんは一体なのですね。リズムはだいたい同じです。
排泄のサインの例
・寝ているとき、モゾモゾと動き出す、何か声を出す。
・しゃっくりする。
・おなら(典型的なうんちの合図)。
・授乳中、おっぱいをくわえたり離したりするとき。
・大きな声を出す、わめく。
・動きが止まる、真顔になる。
・トイレに行ってこちらを見る。
・お風呂に行く。
・股に手をやる。
・もじもじする。
・「出った~、出った~」と出る前や後に言う。
いつも見てなくちゃならないの?
ずっと赤ちゃんに注意を向けているわけにはいきません。なんとなく、目の端に入れておくくらいの注意の仕方でいいように思います。
イライラしたときの対処法の例
・目を閉じて一呼吸する。
・ちょっと外に出る。
・近くに頼れる人がいないなら、託児所やファミリーサポートなどに1時間くらいみてもらって好きなことをする。
・ふだんから、自分自身に戻れるような好きなことを探しておく。イライラしたら好きなことをして息抜きする。たとえば、車の中で10分間歌を歌う、ジョギングする、音楽を聴く、楽器を演奏する、本を読む、庭いじりする、水を撒く、裁縫などなど。
・おいしいものを食べる。
カンガルーケア続行!
抱っこするとき、裸で密着して抱っこして、その上から服を着てみました。すると、赤ちゃんもママも幸せで満たされました。
カンガルーケアを産後直後だけに終わらせるのはもったいない!というのは本当にその通りでした。
いつも赤ちゃんを身にまとうように抱っこやおんぶして過ごすことは、0歳のときしかできません。外の世界に興味を持つようになると、子どもは自然と離れていきますし、体重もだんだん重くなって、そんなことはできなくなってしまいます。
書き出しここまで
この本は読み易くてよくまとまっていたのですが、途中から裁縫に関する知識や興味がないと大変なページが出てきます。著者はご自分でいろいろなおむつを手作りしていましたが、これは人によっては大変なので、誰かに頂くかメルカリなどで購入するのがいいのではないかと思いました。
あとは、著者は布おむつを使うことを前提に話を進めていましたが、布おむつの良さをもうちょっと解説して欲しかったです。今の時代、布おむつを使っている人はほとんどいないと思います。洗濯も大変ですし、漏れも大変です。著者のように畳の上にお漏らしされても乗り越えていける人はあまりいないのではないでしょうか。
できれば布おむつを使わずに、紙おむつで排泄介助をしていくやり方が今求められていると思いました。