我慢をやめる生き方へ

我慢することをやめ、やりたくないことはやらない生き方を貫いていきたいと思います。

借金40億円…苦しみの極みの中で…

「ある日突然40億円の借金を背負う」という本を読みました。

私も借金で常に死と隣り合わせの人生であるため、
借金本はいろいろと読んできました。

その中で、最も感動的な本でした。

何度も涙で目が潤みました。

生きた心地のしない地獄の底のような生活から
どうやって這い上がっていったか、
よく分かりました。

借金があるとまず一番の問題になるのが、心の問題ですよね。
苦しくて苦しくて気力もやる気も出てこなくなったり、
途方に暮れて何も行動できない状態になります。

そういう状況でどうやって心を正常に保つか、
正気を保つかが一番重要になってきます。

この本を読んでいく中で、
著者が正気を保つのに一番重要だったのが、
奥様の愛だったように思いました。

奥様の深い愛と信頼、そして子供たちへの愛、
義理の父母からの信頼、そういった親族からの精神的な支え、
そこが大きかったと感じました。

技術的な対策としては、
「5年間だけ頑張ろう」と期限を自分で設けて、
1827日の日めくりカレンダーを作ったこと、
これもとても参考になりました。

たとえ元本が減らない期間が続いたとしても、頑張る日数は減っていく、
そこに静かな喜びを噛み締めていく、という戦法でした。
そして5年間頑張ってダメだったらそこで止める、と決めることで
心に余裕が生まれました。

また、「最悪の事態を紙に書き出す」ということもやったそうです。
・破産するとなると、破産処理に掛かる費用をどうするか?
・自己破産の後は、どこに住んでどうやって収入を得るか?
・どの時点で経営の続行を諦めて破産処理に移行するか?
といったことです。
これを書き出してみると、意外と悪くないと思えて、
気持ちが楽になったそうです。

次の手は、すべての店舗を一気に改善しようとせず、
一店舗だけ改善して、それを多店舗に広げていく、
という戦法でした。
ただでさえ精神的に追い詰められていて一杯一杯な状態ですから、
やることを絞る、これが大きかったと思いました。

次は、お客さんをコッソリ尾行して、何が悪いのか調べる、
という戦法でした。
その情報を元に、自分の店のポジショニングを改善する、
ということでした。

私はこの本の他にも借金本を読んできましたが、
他の本は、凄い人が凄い方法で借金を返せました、めでたしめでたし、
みたいな感じで、あまり心に響くものがありませんでした。

借金を作ったけど、マーケティングとセールスを勉強して一気に返せました、とか、
周りの人に相談しまくっていい知恵をもらって解決できました、とか、
ふーん、よかったですね、としか思えませんでした。

しかし、この本は、苦しみの極みの中で、手探りで試した一手一手が
重みを以て提示されていました。

これほどの苦しみはそうそうないだろうと思いました。

著者の湯沢さんを本当に尊敬しましたし、
本当におめでとうございました、そしてお疲れ様でした、と言いたくなりました。

今度神奈川南部に行く機会があったらどこかの店に食べに行ってみたいな
と思いました。