書評その59 五感を育てるおむつなし育児 三砂ちづる著
副題…子どもとの時間がもっと楽しくなる 赤ちゃんからはじめるトイレトレーニング
「おむつなし育児」とは「おむつを付けない育児」ではなく、「おむつは保険として付けておくけど、排泄の時におむつを外しておまるやトイレに排泄させる育児」である事が分かりました。
この本は、著者の前著「赤ちゃんにおむつはいらない」の続編というか実践編という感じの内容でした。
写真やイラストや体験談も多く、実際にやるにはどうしたらいいのかがとてもよく分かりました。
おむつなし育児で一番大切な事は、大らかな気持ちでやる事だなと思いました。やっぱりどうしても失敗する事はあるし、やる気が出ない事もあるからです。
特に働いている場合は週に1回だけとか、朝のうんちだけとかでもいいんだなと思いました。
よくある排泄前の仕草
新生児の場合
・つばをブーブー出す
・泣く(おしっこをしたいから泣く)
・授乳中に乳首を咥えたり離したりする
・体に力を入れる/体を震わせる/表情が固まる
・おならをする
・おちんちんがふくらむ(男の子)
・モゾモゾ動く/騒ぎ出す/突然黙る/落ち着かなくなる
・蹴る
・お母さんをじっと見る
・抱っこ/おんぶされていてのけ反る
月齢が上がると
・おまるやトイレへ向かう/おまるを触る/おむつを触る
・「シーシー」などと声で伝える
・自分の又の付近を触る
よくある排泄のタイミング
・寝起き
・おんぶや抱っこから降ろされた時/車のチャイルドシートから降ろされた時
・授乳直前、直後、授乳中、食後
・おむつを開けた時
・外出前後
・入浴前後
・寝る前
排泄ポーズの例
著者は1958年生まれで二児の母親でもありますが、本の最後に才能論に関しての見解を述べていました。印象的だった部分を書き出します。
お稽古ごとについては、「本人が好きと言っている」「本人が楽しそうです」と言う方が多いですけれど、それはけっこうくせものです。子どもは賢いし、やさしい。たいして好きでないことでも、親がやらせたいらしいな、と感じたら「好きだ」と言える子どもも多いのです。その頃になって、親として見るべきなのは、おそらくその子が本当に夢中になってそれをやっているかどうか、ということだけなのでしょう。何となくやる気がなさそうなら、やらなくていいだろうと思います。子どもには無為な時間があればあるほどよいのだから。まだそういう時間が必要だから。なんだか夢中になってやる事が見つかっていないのなら、もうしばらく、ぼんやりした時間を過ごさせてあげてよいのだ、と思います。