我慢をやめる生き方へ

我慢することをやめ、やりたくないことはやらない生き方を貫いていきたいと思います。

大学時代その11 交番の掲示板に僕の白黒の顔写真が…。

※もう20年も前の事を断片的で不確かな記憶を思い出しながら書いているため、正確な記述ではないことをご了承下さい。

東京、ある書店にて。


若い女性「あのすみません…」

(なんだ…? また宗教か…。それにしてもほんと俺って宗教によく声掛けられるよな…。)

大輔「はい?」

若い女性「ヨガに興味ありますか?」

大輔「うーん、ヨガですか…。興味なくはないですけど、ヨガって何のかまだよく分かりません。柔軟体操の一種という感じですか?」

若い女性「そういう面もあります。あとは呼吸を整えたりして、リラックスしていくこ
ともできます」

大輔「そうですか…。でも僕はヨガにはあまり興味はなくて、宗教に興味があるんです」
若い女性「そうですか!実は私たち、ヨガだけじゃなくて仏教も勉強してるんですよ」

大輔「そうなんですか!僕、ヨガよりも仏教の方が興味あります」

若い女性「そうですか!じゃぁ今度、私たちの道場に見学に来ませんか?」

大輔「いいですね!行かせて頂きます。」

若い女性「じゃぁ…。一週間後にここで、またこの時間に待ち合わせましょう。あと、
貴方には特別にこの2冊の本をお貸ししますので、一週間後までに読んでおいて下さい

大輔「ありがとうございます!面白そうな本ですね。来週の待ち合わせまでに読んでき
てお返しします!」

若い女性「それじゃ、ありがとうございました」

大輔「ありがとうございました!」

自宅にて。

(あの女性、気前よく2冊も本を貸してくれたな…。へぇ~…。オウム真理教っていうのか…。ヨガで修行していくんだな…。へぇ~…。世の中にはいろんな人がいるんだな…。こんな科学技術万能の今の日本で、こんな修行服着てヨガで修行か…。ほんと世捨て人みたいだな…。でも、どうせ俺の将来なんてこのままじゃサラリーマン…。サラリーマンていう言い方だと綺麗に聞こえるけど、実質的にはただの社畜だろ…。俺の父親の悲惨な姿を見てたら、将来には絶望しか感じねぇよ…。そういう人生にNOを突き付けて、この社会に背を向けてヨガで修行するという選択をした人たちの気持ちはよく分かる…。それにしてもこんなに多くの人が社会から隔絶してヨガでの修行の道に進んでいたとは…。この本、結構面白いな…。)

一週間後、待ち合わせ場所にて。

(ヨガで修行することが俺の一番の幸せにつながるのかどうかは結局この2冊の本では分からなかった…。やっぱりいろいろな宗教を見ていく必要があるな…。そのためにもこのオウム真理教とか言う宗教を見学してみるのも悪くない…。ヨガには正直そこまで興味はないけど、仏教も勉強してると言うし…。)

(遅いなぁ…。もう5分過ぎてるぞ…。普通、待ち合わせに誘った方が先に到着しているべきなんじゃないのか…?)

(何なんだよ…。もう15分も過ぎてるぞ…。待ち合わせをすっぽかしやがったな…、あいつ…。くそぉ…。折角本を2冊返しに来たのに…。もう返してやるもんか…。約束を破るなんてあの女はどうせろくでもない奴に決まってる…。)

こうして、オウム真理教との出会いが終わりました…。

もし、あのとき…。待ち合わせの場所に女性が現れていたら…。

そうなっていたら今頃、交番の掲示板の白黒写真に僕の顔写真が掲載されていたのかもしれません…。