我慢をやめる生き方へ

我慢することをやめ、やりたくないことはやらない生き方を貫いていきたいと思います。

ひきこもりその21 ひきこもりを取り巻く状況はいい方向へと向かっている

2020年を振り返ってみて、ひきこもりを取り巻く状況はいい方向に向かっているのではないかと思っています。

 

まず何と言ってもテレビ番組の変化ですかね。

11月下旬から12月上旬にかけてNHKでひきこもり関係の番組が10個以上放送されているらしいです。

僕はテレビを買う余裕がなくて見てないんですけど、伝え聞くところによると悪くない出来栄えだったようです。

「こもりびと」というドラマを作るに当たっては、たくさんのひきこもり当事者や元当事者の声や意見がかなり反映されていたようです。だから当事者から見ても、最高とまでは言えなくても悪くない出来栄えだったのではないかと思います。

今までひきこもりを取り上げるテレビ番組と言えば2015年頃にあった「強制的引き出し屋」が現場に踏み込んでいるところをリポートするようなものが多かったように思います。

そしてもっと年代をさかのぼると、新潟少女監禁事件に象徴されるような犯罪者予備軍としての扱いです。

こういう時代的変遷を考えると、昨今のマスコミによる取り上げ方はだいぶ良くなっているような感じを受けます。

「犯罪者予備軍」から「こもりびと」ですからね。

 

あとは最近増えてくるようになった「居場所」。

就労支援しかなかった今までのひきこもり支援に「居場所」が加わったのは大きいと思います。

今ある居場所は昼間に立ち寄れる程度ですが、今後「宿泊」までできるようになったら本当の居場所になれるのではないかと思います。

山奥ニートさんたちのような施設こそ本当の居場所だと思います。こういう施設を行政がもっと作って欲しいなと思います。

 

そしてひきこもりと深い関係にあるサポートステーションが対象年齢を39歳以下から49歳以下まで引き上げました。

今まではひきこもりというと若者だけの現象だと見做されてきましたが、実は中高年の方が多いという現実にやっと政府や行政も向き合うようになれたことも大きいと思います。

でも本当のことを言えば、20年前からの問題に有効な手を何も打たなかったことによって当時の若者が中高年にスライドしただけなんですけどね…

 

あとは地味に大きな影響を与えているのではないかと思っているのが漫画「健康で文化的な最低限度の生活」。

この漫画はひきこもりそのものを描いた漫画ではなく、あくまでも生活保護を描いた漫画ですが、この漫画によって、「働けない人」(≒ひきこもり)への世間の理解がかなり進んだような気がします。

 

そして最後はコロナ。

これによって在宅ワークをする人が急増し、平日の昼間に外を出歩いている不自然さが緩和されたような気もします。

いつも自宅にいて出勤してなくても変な目で見られなくなって来たように思います。

 

こんなに大きな変化があった2020年ですが…

なぜこんなに大きな変化があったんでしょうね…

僕の感覚としてはやっぱり去年2019年に起きた農水事務次官殺害事件の影響が大きかったような気がします。

この事件によってひきこもりは「犯罪者予備軍」ではなく、「犯罪被害者予備軍」や「犯罪被害者」という認識に変わっていったような気がします。