ひきこもりその16 勉強するよりも働きたい人
ひきこもり・ニート・不登校支援団体に通うようになって3ヶ月ほどが経ちました。
僕がなぜ、こういうようなところに通うようになったのかというと、一番大きいのはやはり、福祉事務所からの就労圧力でした。働くか、就活するか、就活できないのであれば就労支援を受けて下さい、働けないのであれば治療して治して下さい、というようなことを言われたんですね。つまり、働くか通院か、二つの道しかないと。
それで行きたくなかった精神科に通うようになり、ひきこもり支援団体にも通うようになりました。
ひきこもり支援団体は長い目で見てくれるので助かっています。
ひきこもり支援団体に来てみて、一番刺激を受けるのはやっぱり同じ利用者の立場の人との交流ですね。
お互いに人付き合いが苦手だったり好きでなかったりする場合が多いので、まだあまり深い交流はできてないのですが、少しずつ交流するようになってきました。
そこで僕が一番驚いているのが、ほとんどの人が何らかの労働をしていることでした。
平日の昼間に会っているので、流石に週五日で一日8時間働いている人はいないと思いますが、ほとんどの人がアルバイト的なものをしているような感じでした。「感じ」というのは、まだ働き方のことを詳しく聞いてないからです。
働いている人ばかりに囲まれる中で(あれ!?ここって働けない人とか働きたくない人の集まりなんじゃないの!?働いている人ばかりが来てるけど… 働けてるならここに来なくてもいいんじゃないの!?)という気持ちが高まるばかりです。
極め付けは、働きたいのに親から勉強しろ勉強しろばかり言われて、働かせてもらえないという怒りを訴えていた青年でした。これには本当にビックリしました。世の中には本当にいろいろな人がいるもんだなぁと。
その人の父親は大学教授らしく、アルバイトなんてするぐらいなら勉強しろとばかり言ってくるそうです。
父親の主張も分かります。時給の安いアルバイトをするよりも将来高給な仕事に就くために勉強と言う投資をした方がいいということなんだろうと思います。
この父親と息子の意見の食い違いを聴いていて思ったのは、息子が大きくなったときに父親を尊敬できてないと父親が何を言っても息子は聴く耳を持たないんだろうなということ、父親は大学教授という最も賢い職業に就いていながら、息子を説得できる話ができないんだなということでした。
彼は大学を数か月で中退していました。授業が面白くないだけでなく、グループ学習の時なのに誰も話しない雰囲気が異常過ぎてもう無理だと感じたそうです。
彼は元々大学にも行きたくなかったそうです。
でも高校では大学進学以外の進路についての相談も支援も何もしてくれなくて、やむを得ず大学に進んだとのことでした。進学校ではない高校であるにもかかわらず…
勉強が嫌いなら大学ではそこまで勉強せずに遊んだらいいと先生からも言われたそうです。
しかしそれならなぜ大学に行かないといけないのか余計に分からなくなったそうです。
大学で遊んで大した知識もスキルも身に付けなくていいなら、なぜ高卒よりも大卒の方が就職に有利なのかも分からないと言っていました。
確かに遊ぶ為に大学に行くという日本社会特有の摩訶不思議な文化がありますよね。
高校までは勉強づくめ、社会人になると労働づくめ、その間の束の間の自由な4年間。それが大学期間だと。おかしな話です。
大学は
遊んでいても
いいらしい
それならなんで
行かにゃならんの
遊びだったら
家で出来るし
補足
彼は周りに家しかない住宅地に住んでいて自然のない環境が嫌だと言っていました。周りに家がたくさんあるのに全く交流がない東京という土地が嫌だと。池袋のような都会が特に無理だと。たくさんの人と一緒に和気あいあいと働きたいと言っていました。
僕は最後に田舎暮らしや地域おこし協力隊という選択肢を提案しておきました。
人に提案してないでお前こそ働けよという御気持ちの方がたくさんいらっしゃると思います。
ちなみに僕は地域おこし協力隊にはいくつか応募したことがありますが、全部落ちました。
自腹で往復の飛行機代やホテル代で8万円ほど掛けて面接に行ったこともあります。そこも落ちました。