我慢をやめる生き方へ

我慢することをやめ、やりたくないことはやらない生き方を貫いていきたいと思います。

書評その112 「ひきこもり」救出マニュアル 実践編 斎藤環著

理論編と比べるとこちらの実践編の方は親向けに書かれている内容がほとんどでした。

ひきこもり本人が読む場合はこちらの実践編を読むよりは理論編の方が役立つ内容が多いと思いました。もちろんこちらの実践編も最初から最後まで全部読む必要はなく、気になった部分を読むだけでもいいと思います。

それにしても、読んでいて親の方も本当に大変だなと思いました。

家庭内暴力、お小遣い、精神科などなど…

ひきこもっている子供とどのように接して行ったらいいかが事細かに書かれていました。

著者はどちらかというと子供の味方になっている立場でした。

この本を読んでも納得できる親はいるのかな…いるとしたら凄いと思いました。

親としては働かない息子を見て、怠けていて甘えていてわがままで頭に来ている状態で困っているのに、この本を読んでみたら子供が安心してひきこもれるように接するのが基本と書かれています。

親だけに我慢を強いるような指導方法が多いような気はしました。

著者はこの本にも書いていましたが、子どもに働かせようとすれば親が言いたい事を我慢していかないと治療できないとしています。

もしそれが嫌ならば、親には子供が成人したら追い出す権利もあるとしています。

確かにその通りだなと思いました。

その代わり、追い出された子供はホームレスになる可能性が高いと書かれていました。

欧米で若年ホームレスが多いのはこうして追い出される文化があるからだそうです。

日本の場合はホームレスになれば生活保護を受けられるので、親子でいがみ合い、苦しみ合いながら一緒に生活するよりは、子供を追い出してホームレスか生活保護にするのが親にとっても子供にとっても妥協できる落としどころなのではないかなと思いました。

悩み悩んで親が子を殺す、子が親を殺すといった結末になるよりはその方がいいのではないかと思います。