我慢をやめる生き方へ

我慢することをやめ、やりたくないことはやらない生き方を貫いていきたいと思います。

統一教会その18 訪問販売中の生活

訪問販売中は基本的に車の中で寝泊まりして、各地を移動しながら旅をしていきます。

その時の生活は本当に大変でした。

朝5時に起床して、公園のトイレなどで洗面した後、すぐに訪問すべき土地に向けて移動します。

移動中の車の中で朝食を食べます。

そして5時半から今日回る任地に1人ずつ車から降ろされていきます。

そして!早朝5時半から家庭訪問!本当は朝7時からが正式な訪問販売時間なのですが、電気が付いていて起きている事が外から分かる場合はピンポンを押してやってましたね(^^ゞ

訪問販売時間は朝7時から夜9時まで、その後車で回収されて夜10時頃から晩御飯を車の中で食べて、夜11時~翌1時頃まで飲み屋街に移動して訪問販売。

その後夜車を停めておく公園などに移動し、夜2時~2時半頃に就寝、というスケジュールでした。

このスケジュールをご覧になられてお気付きかと思いますが、睡眠時間が2時間半~3時間なんです。

この睡眠時間の短さがなんと言ってもキツカッタ…

訪問販売しながら眠くて眠くて… お客さんの前で立ちながら眠ることもありました…

そしてそれ以上に辛かったのが「売れない」ことでした。精神的に物凄く辛かったです。お客さんからも猛烈に否定されますからね。暴言を吐かれたり無視されたり、無言でドアを閉められることもありました。

統一教会だろ!と指摘されて、いえ違います、野の花会です!と言い訳するのも良心の呵責を感じていました。確かに野の花会統一教会員じゃない人の方が多いらしいのですが、訪問販売しているのはほぼ全員原理研究会員でしたからね… この辺り、昔からワリキリのできない僕の弱さですかね…

炎天下の中での朝7時から夜9時までの14時間、足が棒になるほど歩き回り、走り回り、駆けずり回って売りまくるのは本当に大変でした…

とにかく売れない!100軒回って1~2軒でしょうか、買ってくれる人は。

心臓に毛の生えたタフな人じゃないと身が持たないですよ。

だから信仰の訓練になるというわけですね。

暗黙の了解で、一日で最低売上3万円は超えなければならない、というのがありました。3万円を超えるのは信仰の貞操だとまで言われていました。つまり3万円を超えられない人は信仰がないという烙印を押されました。

ちなみに僕は3万円を超えた事はほとんどありません。

原理研究会でも落ちこぼれだったのです。

原理研究会でも居辛さ、生き辛さを感じていました。当時はそういう自分を責め、自己肯定感も自尊心も傷付いていました。

売上3万円ということは布巾を一日に15個も売らなければなりませんでした。

14時間の活動時間を2時間ごとに区切って、隊長に2時間おきに販売数を電話で報告しなければならなかったのですが、それも精神的に辛かったです。0です、なんて言おうものなら、強烈に罵倒されました。命懸けでやれ!とか死ぬ気でやれ!とかやる気あんのか!とか電話口で罵倒されました。

本当に泣きたくもなりました。

泣いた事もありましたよ。

 

なぜここまで肉体的にも精神的にも信者を追い詰めていたのかというと、金儲けよりも信仰の訓練の為だという事は前に書きました。

ノルマに追い詰められた信者がそれでもあきらめずにやり続けていると、一定の確率でまさに神様だと見紛うような優しい人と出会うことがあります。

何も言わずにっこりと5個セットを1万円で買ってくれる人までいました。

それを原理研究会では「神体験(かみたいけん)」と呼んでいました。

そうやって苦しい中でも諦めないで頑張り続ければ神様は見捨てない!みたいな体験をさせるためにこの訪問販売活動が位置付けられていました。

この訪問販売活動を通して、それまで頭で学んできた教えが体に刻み込まれ、腑に落ちる信者が増えていきました。

こうして長期休暇後の伝道活動をやれる戦力化した信者になっていくんですね。