生活保護その12 就労移行支援事業所を見学
今日は福祉事務所の就労サポーターの人と一緒に、就労移行支援事業所に行ってきました。
就労移行支援事業所というのは、一言で言うと、障がい者用の就職支援の会社です。
障がい者には知的、身体、精神と大きく分けて3種類ありますが、今日訪問した事業所では約75%の利用者が精神障がい者でした。
精神障碍者の内訳としては、統合失調症24%、発達障害24%、うつ病23%、双極性障害13%などとなっています。
この事業所のセンター長からお話を伺ったのですが、就職してからの定着率(半年以上)がなんと80%! 凄いですね…
そして、就職率もなんと98%! 一体どうなってるんでしょう…
無理矢理就職させて98%という数字を叩き出し、すぐ辞めている人が多いのなら分かりますが、半年後の定着率が80%という事は無理矢理就職させているのではなく、本人がそれなりに満足しているのではないかと思いました。
なぜこれだけ高い数字になっているのか、そのカラクリを教えて貰いました。カラクリというほど秘匿性の高い話ではないのですが…
この事業所からの就職では、ほとんどの人が障がい者枠の求人に応募している、とのことでした。
障がい者枠の求人だと、採用側も相手が障がい者だと分かっているので、やらせても難しいことはやらせないで、やらせることを限定したりいろいろな配慮をしてくれるんだそうです。
その代わり、障がい者枠で働くデメリットもあります。それは給料が安いこと。事務職なら額面で16万~18万ほどになるそうです。ここから税金や社会保険などが引かれてしまうと手取りは13万~15万ほどになると思います。これでは生活はかなり苦しそうですね。
それで足りない分をどうしているかというと、障がい者年金を活用している人が多いらしいです。障がい者年金が月数万円程度加われば生活できるんだなと思いました。
ただ、それでも月18万円程度にしかなりません。
独身者なら生活保護を抜け出せると思いましたが、家族がいる場合はかなり厳しい金額だなと思いました。
最初は一般求人に応募しようとしていた人も、この事業所に通っていく内に障がい者枠の求人に変えた人もいたそうです。その人は通い始めた頃は障がい者手帳を持っていなかったそうですが、通所して半年ほど後に手帳を取得したそうです。
ちなみに、一般求人に応募した人の定着率は20%ほどだそうです。そうだろうなと思いました。
僕はセンター長の説明を聞きながらずっと考えていました。
どうしようかなぁと。
一般枠での求人は絶対ダメだという事は分かった…
一般枠での仕事では、他の人も定着率20%と厳しいことが判明している…
僕だけがダメ人間なんじゃない…
もともと一般枠では無理だったんだ…
精神障碍者が健常者と同じ土俵で戦っても負けるというか、土俵の外に押し出されるに決まっている…
実際いつも自主退職へと追い込まれていったよな…
ということは障がい者枠で行くか…
そのためには障害者手帳を取得しないといけない…
そのためにはまた精神科に行かないといけない…
ということはまたあの「ストラテラ」とかいう副作用の激しい劇薬を飲まなければならないのか…
それだけはごめんだ…
どうすればいいんだ…
こういう悩みを率直にセンター長に打ち明けたところ、ストラテラやコンサータのような強い薬ではなく、効きは弱いけど副作用がない漢方薬を処方してくれる精神科医も探せばいるかもしれないから、合うお医者さんを探してみてもいいのでは、と言われました。
確かに副作用のない漢方薬があるなら飲めるかも…
ただ、そこまでして働きたい職場、職種が見つかるのかどうか…
それはやってみないことには分からないんだろう…
こういうことを考えながら帰宅しました。
そしたらかなさんが赤ちゃんを抱えながら、赤ちゃんがずっとぐずってたから何もできなかったと言っていました。
やっぱり就労移行支援事業所に週5日も通っていたらそれだけでヘトヘトになり、子育ても家事もできなくならざるを得ないと思いました。
就労移行支援に週5日通い、めでたく就職できました!しかし、かなさんが過労死しました!とか、かなさんが鬱になりました!とか、別れることになりました!という結末を迎えかねないので、そこのところも慎重に考えて行動していかないとなと思いました。
週休0日で夜中に1時間おきに授乳しているかなさんの子育て支援をすることを今のところ最優先で考えて行きたいと思います。