我慢をやめる生き方へ

我慢することをやめ、やりたくないことはやらない生き方を貫いていきたいと思います。

書評その45 事実婚 新しい愛の形 渡辺淳一著

渡辺淳一さんの本は初めて読みました。流石、ベストセラー作家だけあってとても読み易く、面白く、すらすら読めました。

しかし本当の事を言うと、最初の20ページ位の所で、自由が失われるから結婚したくない若者が増えているという事に対して、甘ったれるなと書いてあり、その時点で本を閉じようかと思いました。でも50ページまで読んでそれでも肌に合わなかったら止めようと思いましたが、結局だんだん面白くなって最後まで読めました。

歯に衣着せぬ率直な物言いが多く、そうかなぁ…と思う箇所もいくつかありました。例えば、男はオナニーで十分満足できるが、女はオナニーでは満足できず、必ず男が必要だとか。そうですかね? むしろ逆だと思うのですが… 著者の感覚的直感による決め付け的な発言がいくつかあり、それが女性の神経を逆撫でしたのか、アマゾンのレビューでは酷評されていました。

でも、総合的には面白かったし、「事実婚」という物を最も分かり易く、多面的に知る事ができる入門書だなと思いました。事実婚をしようとする人も、同棲している人も、結婚している人も、結婚する意欲がない人も何かしら参考になる部分はあると思いました。お勧めです。

でも、上記のような一見女性蔑視とも捉えられかねない発言があるので、そういう発言を目にしたときは、これは彼の意見であり真実ではないなと冷静に見ておけばいいのではないかと思います。

ページ数は190ページほどとコンパクトにまとめられている割には、若い未婚女性5人との対談やら、事実婚男性との対談もあり、事実婚実践者の福島瑞穂さんとの対談もあり、法律面に関しては弁護士との対談もあり、厚労省のいろいろなデータや表もあり、とても充実していました。

2011年と少し古い本なので今とは違うかなと思って読むのを止めようかと思っていましたが、一応読んでよかったです。

読んでみて、僕の感想を言うと、やっぱり事実婚でいいや、という事です。と言うか、事実婚の方が本来の人間らしいというか、ホモ・サピエンスと言う種にとっては結婚制度の方が合わないとつくづく思いました。

結婚制度によって幸せになれる人もたくさんいる事は分かりますので、事実婚だけが良いというのではなく、事実婚でも法律婚でも両方自由に選べる選択肢の多い社会であった方が、より民主的だなと思いました。事実婚者を経済的にも法律的にも差別する現在の法律は明らかにおかしいと思うし、クーデターで政権を乗っ取ったテロリスト(明治政府)が勝手に作ったルールを押し付けてくる方が迷惑だと思いました。