書評その35 赤ちゃんと話そう! 生まれる前からの子育て 池川明著
世界で初めて大規模な胎内記憶調査を行った胎内記憶研究の第一人者、池川明氏の本です。
胎内記憶を調べて行く過程で、子宮内にいた時の記憶だけでなく、前世記憶や中間生記憶(前世と今世の間の記憶)も付随的に明らかになり、本の中でも触れられていました。
この本では、前世記憶を足掛かりにかなりスピリチュアルな内容にも踏み込んで書かれていました。
スピリチュアルな内容は好き嫌いがあるので、スピリチュアルな内容が嫌いな人には面白くない内容かもしれません。
この本は読んでいて本当に引き込まれました。深く考えさせられました。
赤ちゃんの方が大人よりも人として立派なような気がすると思いました。赤ちゃんは親、特に母親を助けるために命懸けで雲の上からやってくるんだなと思いました。
大人が赤ちゃんや子供に何かを教えるよりも、大人が赤ちゃんや子供から何かを学ぶ事が必要だし、教わる事ができるんだと思いました。
流産や死産の捉え方についても胎内記憶を基に説明がありました。
流産や死産になった場合、母親は今までの食生活などを悔いたり自分を責める人が多いようですが、その必要はない事が分かりました。死期は母親や産科医が決めているのではなく、本人が決めている事なので周りはそれを受け入れるしかないという事です。
人生は長ければいいってもんじゃないし、短ければ意味がないというわけでもないと思いました。
その他印象に残った内容です。
・「産声は必要ない」。 へその緒を付けたままカンガルーケア(出産直後にへその緒を付けたまま母親のお腹の上で抱っこする事)をすると、へその緒から酸素がしばらくの間供給される。その結果、お腹の外に出るという環境の激変や肺を使うという呼吸法の激変を赤ちゃんがゆっくりと自分のペースで受け入れる事ができる。だから赤ちゃんは泣く必要がないので、赤ちゃんは幸せそうなうっとりした表情になり、ほとんど泣かない。
・母親と子供との絆の深さは出産方法とは関係がない。母親と最も深い絆を結べた親子はすべて帝王切開で生まれた子供だったという調査結果がある。
・妊娠中にお父さんに話し掛けて貰わなかった赤ちゃんはお父さんの声が分からない。そのため、生まれてからもなかなか懐かない。赤ちゃんにとってはお父さんは知らないおじさんと同じ。
・おばあちゃんが娘の出産に立ち会うと、おばあちゃんと娘の間にあったトラウマが解消される事がある。