書評その26 お父さんのための子育ての教科書 七田厚著
七田式教育には以前から関心があり、一体どんな教育なんだろうとうっすら思ってきました。
しかしその関心というのは教育への関心ではなく、古本屋を営んでいた時によくその本を取り扱っていたので、へぇ~そんな教育があるんだ程度の関心でした。
全くモテなかったので恋愛や結婚等という物は夢のまた夢であり、子供と言うのは夢のまた夢のまた夢でした。
そんなこんなで長らく教育は自分と関係ないものでしたが、どうにもならない生き辛さが臨界点に達し、その原因が親や学校から受けた教育に原因があったのかもしれないと思うようになり、それからは虐待や教育に関する本はいろいろ読むようになりました。
この本は七田式教育の創設者、七田眞(しちだ・まこと)さんの次男で後継者の厚(こう)さんが書いた本です。(眞さんの御長男は幼くして亡くなったそうです)
この本の内容を一言で言うと、七田式教育の紹介です。
専門用語がなくて大変読み易く、分かり易かったです。
この本では主に、乳幼児期から小学校までの教育が解説されていました。
その時期が一番大事だとの事です。
胎教についてはほとんど触れられていませんでした。
乳幼児期から小学校までの教育で大事な事は、たっぷりと愛情を注ぐ事だという事です。愛情を注ぐ事で自立が妨げられることはなく、むしろ親からの愛情を受ける事で子供は安心して自立へと向かっていけるそうです。
愛情を心の中で思うだけではダメで、スキンシップやハグ、抱っこ、優しい言葉掛け、語り掛けなどが大事だという事でした。
そして、子供のありのままを認め、受け入れる事。褒める事。
絵本の読み聞かせは理解させることよりも愛情を注ぐ事が目的。
1歳位から英語のCDを流していると子供は自然に英語を話せるようになる事。
(著者の子供は日本育ちながら1歳から英語のCDが流れていた事によりネイティブ並の英語力になったそうです)
知識の詰め込み教育は止めた方が良い事。
しつけは大事だが暴力や命令はダメだという事。
本に書いてある事は言われてみると当たり前な事ばかりで、目新しい事は3歳までに英語のCDを流しておくと自然と話せるようになるという事ぐらいでした。
でも言うは易し行うは難しなんだろうなと思いました。
問題は愛情を注げるかどうか。無条件の愛で接する事ができるかどうかだなと思いました。
もし子供がうるさかったら… 汚い事ばかりしたら… 憎たらしい事ばかり言ってきたら… 犯罪紛いの事ばかりやろうとしたがっていたら…
それでも無条件の愛で接する事が自分にはできるんだろうか…
読み終わってそういう思いが湧いてきました。