書評その5 本当に幸せな人だけが知っている宇宙の秘密 大木ゆきの著
この本は「宇宙の秘密」というタイトルですが、どちらかと言うと「幸福の秘密」という内容だったと思います。
幸せに関する秘密です。
僕達は普通、幸せになろうなろうと日々一生懸命生きています。
しかし、実は幸せになろうとする必要はないんだそうです。
私たちは元々幸せである事に気付けばいい、というのが著者の主張です。
そして、どうやったら幸せに気付けるかというポイントがいろいろ説明されていきます。
例えば、空気がちゃんと存在していてそれを胸一杯吸い込めること。
例えば、太陽が毎日昇って僕たちに温かさや光を与えてくれている事。太陽自体の綺麗さ、美しさ。
例えば、山や海などの見とれてしまうほどの綺麗な景色。道端に生えている綺麗な花。
ぼろアパートだとしても一応、雨風が凌げる屋根と壁がある。豪華ではないにしても飢えない食事が食べれて、温かい布団にくるまって眠る事ができる。
このように、実は見落としている恵みがたくさんあったんだという事に気付かせてくれる本です。
幸せになるために今から何かを手に入れる必要もないし、現状を変える必要もない事を教えてくれる本です。今の自分のまま、現状のまま、幸せを感じられるようになる本だと思います。
さて、この本を読んで僕は幸せになる事ができたのでしょうか?
幸せになる事ができたのでしょうか?という設問自体が間違っていますね。
幸せを感じる事ができるようになったのでしょうか?
…
実は著者が教えてくれたポイント(空気が吸える事、景色が綺麗な事、こうしてネットも使える事など)で感謝と喜びの境地に至る事はできませんでした\(T_T)/
今僕が幸せなのは生活保護を受給できている事や彼女がいるから幸せなだけで、生活保護が停止されたり彼女にフラれたらまた不幸に舞い戻るような気がしています。
やっぱりこの本を読んだだけでは著者と同じレベルの幸せを感じる感性は育めませんでした。
あとは、今現在、苦しみの極限状態でもがいている人は正直太陽とか花とかを見て幸せを感じられる余裕はないかもしれないとも思いました。
僕は借金で精神的に追い詰められていた時や、彼女ができなくて苦悶していた時にこの本を読んでもダメだったと思います。何かの病気で激痛を抱えているような人もなかなか厳しいと思いました。多分、何かに執着していたらダメなんでしょうね。
ただ、あぁ、なるほど…こういう所で幸せを感じられるようになれれば最強だよなという事は理解できました。これからは空気や景色などで幸せを感じれらるレベルまで感性を引き上げていけばいい、そうすれば幸せになれる、という一つの目標が与えられたように思いました。
幸せとは、金持ちになったり恋人を手に入れたり病気を治したりと言った、現状を良くする事で手に入るものではなく、感性を高めたり、幸せを感じられる感度を取り戻す事で手に入るものなんだと分かりました。
僕の中での結論は、この本だけではだめで、著者の他の本に書いてある日常生活で周波数を上げる方法を少しずつ取り入れて行く事で自分の幸せ感度を高める事が必要な気がしています。