我慢をやめる生き方へ

我慢することをやめ、やりたくないことはやらない生き方を貫いていきたいと思います。

「無銭経済宣言」の実践編(具体的な方法)

第二編 実践編

第5章 働き方と物品の入手

 以下に示すメニューは、人それぞれのカネなし生活への移行に役立ち、完全な贈与経済に向けた足がかりとなる可能性がある。

 

(1)フリーエコノミー(→2014年にストリートバンクに統合された)

 フリーエコノミーでは、各自の持てる時間、スキル、道具、知識を無理のない範囲において―全くの無償で―提供する。

 逆に自分が何かしらの助けを必要とするとき、例えばねじ回しを借りたいときには、地元のグループメンバーの誰か(初めて会う人かもしれない)が同じ精神で助けてくれると思っていい。

 ポイントの増減も借用証書も評価を記入する制度も、退屈な事務手続きも一切なし。条件など付けない方がずっと効率的だしお役所的にならない。この原理は、要は昔からよく言われる「情けは人のためならず」だ。

 使い方は原理以上に易しい。オンライン登録するだけで自分の地域の全メンバーのスキルにアクセスできるようになる。地域は住んでいるのが大都会か森林の中かに応じて、半径2kmから40kmほどで区切る事ができる。

 

(2)ギフトサークル

 これはフリーエコノミーグループを小規模かつオフラインにした仕組みだと思えばいい。

 参加者(12人~20人前後が理想的)は輪になって座り、まず各自のニーズを数点ずつ挙げて行く。

 テニスのパートナーを探している、勉強机が必要、確定申告について助言が欲しい、弓ギリの製作方法が知りたい、寝袋を借りたい、車で送迎してもらいたい等何でも良い。

 一巡して全員がして欲しい事柄を述べたら、二巡目では自分がしてあげられる事を発表していく。これまたスキルでも物でも知識でも時間でも構わない。

 これが済んだら、さらに各自が以前に助けてもらったメンバー(又はグループ全体)に対してお礼を述べる三巡目を設けてもいい。

 進行役は週ごとに交代してもいいし、一回に複数の進行役がいてもいい。出席者の連絡先、何を求めていて何を提供できるか、を記録する係も欲しい。ミーティングの頻度はそれぞれのグループの都合で決めればいい。

 ウェブに基づくフリーエコノミー等の方式よりも優れているのは、グループで顔を合わせる事により、リアルな依存関係が育まれる点だ。唯一の弱点は参加者が20人を超えると上手く機能しなくなる事。

 一方でフリーエコノミー(実態はオンライン上の大規模なギフトサークルに等しい)等の仕組みではどのような多人数にも対応できる。

 ギフトサークルを理想の形だとしたら、フリーエコノミーは顔の見えるギフトサークルが街路ごとに形成されるまでの過渡的な使いやすいツールと位置付けられよう。

 

(3)ヘルプエクスチェンジ www.helpx.net

 これはWWOOF(ウーフ)とほぼ同じ仕組みだ。違うのは対象を有機農場・有機農家に限定しない点である。

 参加者はB&B(朝食付き民宿)、小型船、簡易宿泊所、農場等の受け入れ先で、一日数時間働く代わりに食事と宿泊の提供を受ける(と同時に異文化体験や外国語、スキル習得の機会も手にする)。

 お金を介さないウーフ的な働き方を田舎だけでなく街中でも体験できる可能性が広がるのだ。通常、受け入れ先の仕事は一日4時間ほどで残りの時間は好きに使える。

 この制度をヒッチハイクや自転車旅行と組み合わせても、一年やそこいらはお金や銀行口座とも無縁の暮らしを試す事ができる。

 

(4)LETSとタイムバンク

 LETS(地域内交換取引制度)は、地域通貨(LETSポンド等)を使用してスキルを分かち合う事に同意した人々のネットワークだ。

 タイムバンクは、何かを一時間手伝ってあげた場合、一時間を銀行に預けた事になる。次に何かを一時間頼んだら、その一時間が頼んだ人の口座に移動する。大きな特徴は、誰の時間も(つまり命も)同等の価値を持つ事。

 

参考)生存のための基本的なスキル―食糧と飲用水を手に入れ、暖を取る―は是非とも身に着けておくべきだ。

 レイ・ミアーズ著「アウトドア・サバイバル・ハンドブック」

 ジョン・ワイズマン著「最新SASサバイバル・ハンドブック」

 これらは役立つ手引書だ。

 本で読むのと実際にやってみるのは大違いである。是非お勧めしたいのは、近隣で開かれている講座への参加だ。定評があり、自然に対して深く配慮できる講師を選ぼう。講習期間は長ければ長いほどいい。

 他にもブッシュクラフト(未開地で生活する知恵)愛好者のグループを結成して定期的な会合で各自の持っているスキルを教え合ったり、ブッシュクラフトを題材にフリースキルの集いを企画したりしてはどうだろう。

 

(5)フリーサイクルとフリーグル

 どちらもよくできた物資調達システムで、不要な品を持っている人と必要な品を持っていない人とをマッチングする。

 例えば、娘が成長して子供用自転車が不要になったとする。欲しがる友人がいなければ自分の住む地域のフリーグルかフリーサイクルのメーリングリストに登録すればいい。普通にメールを一通送信すると、リスト全員に配信される。関心を持った人から個人的にメールが届いたらその中から上げたい人を選ぶ。何かが必要な場合も「下さい:やかんSW19」等と投稿する。たったそれだけ。

 フリーサイクルは英国で2003年にできたもので2012年の時点で540拠点、250万人の会員(世界では800万人)。フリーグルは2009年にできた物で2012年の時点で320拠点、120万人の会員。

 

(6)フリーショップ

 文字通り「無料の店」。レジも監視カメラもなければ警備員もいない。不要になった物を持ってきて、必要な物を持ち帰る。

 英国のチャリティー団体「ヘルシープラネット」は全国の商店街の空き店舗を利用して無料の本屋を展開している。

 本屋の店長は言う。「誰もが得をする仕組みなんですよ。借り手の付かない店舗をチャリティー団体に使わせる事で大家は税の減免措置を受けられる。自治体としては悩みの種だった空き店舗が1つ減る。ボランティアたちは地域交流の場を、顧客は本を、それぞれタダで手に入れる事ができます。こうした無料の店のモデルを家具や子供服にも応用できるでしょう」。

 

(7)路上リサイクル

 不要品を自宅の外に並べて「塀の前の物、ご自由にお持ち下さい」等の貼り紙をする。上げたい物はどれとどれか、はっきり区別しておくように。そうしないとゴミバケツも持っていかれる。

 

(8)貸借仲介サイト

 「今後も必要だけれどたまにしか使わない」という物を持っている場合、すっかり処分してしまうのではなく、他の人に貸してあげたいと思うかもしれない。

 僕のお気に入りは「ストリートバンク」。「あなたとご近所みんなのための、巨大な屋根裏部屋、物置、工具セット、お洒落な衣装箱、図書館、DVDコレクション」との触れ込み。

 有料で賃借するサイトもあるが、是非、思い切って無償で貸し出してみるようお勧めする。その方が新しい友情が生まれる可能性がずっと高い。友情こそ、金銭的な価値を付けられないと多くの人が認める宝だ。

 繰り返し言うが、こうしたオンラインの手段はどれも過渡的な策と考えている。僕の理想の世界では隣人同士が互いをよく知っているからそんなハイテクに依存する必要はない。しかし現実は違う。

 現代人は隣人に何かを貸してくれと頼むのを尻込みするほどになってしまった。今日の文化の奇怪さ非常によく物語る現象である。ハイテクなソフトウェアを駆使した前記の様なプロジェクトは現実と理想の橋渡し役となろう。理想の姿が現実と化すその日まで。

 とは言え、君の住む近所でこれらのウェブサイトに類する仕組みをオフラインで立ち上げない手はない。隣人に声を掛けて地域に合った方法を探る集まりを(パブなどで)開いてはどうだろう。互いの持ち物を貸し借りする際の不安点について話し合ったりできる。地域内の参加者が他のメンバーに貸与したいと思う品物を一覧化してコピーするだけで事は現実化するかもしれない。

 

(9)本の交換サイト

 「リード・イット・スワップ・イット」

 欲しい本をすでに持っている人を探し出し、自分が持っている本の内、相手の欲しがる物と交換する。

 

(10)本の交換会

 実際に会って本を分かち合う交換会

 

第6章 土地

(1)ランドシェア

 農地を持っている人と農業をやりたい人との仲介サイト

 

(2)ウーフ(WWOOF)

 有機農場で通常、週に25時間の労働と引き換えに滞在中の宿泊と食事に加えて各種スキル(受け入れ先の言語等)の習得機会を与えられるのが標準的な待遇。

 僕自身もとある有機農場で約3年間働いた。短期にしろ長期にしろ、しばらくの間カネなし生活を試したい人にはウーフを是非お勧めする。ヒッチハイクや自転車で複数の農場を回る事も可能だし、一旦農場に辿り着いてしまえば金銭は全く必要ない。有機農場に住み込む生活は外出して不要な物を買おうと言う欲求をも驚くほど消してくれる。後年カネなし暮らしを送る上で必要になったスキルのいくつかはウーフを利用していた頃に身に着けた。

 

(3)都市部の空き地を菜園に。

 都市のあらゆる所に遊休地や空き地が存在し、活用されるのを待っている。これを市民農園などの食糧生産スペースに転換できないか、自治体の議会に調査を要請する事ができる。

 

(4)既存のコミュニティーへの参加

 「ユーロトピア」という本。ヨーロッパ各地に存在する300か所の共同体やエコビレッジについて紹介している。

 

(5)ゴーストタウン

 ゴーストタウンの中には特に住むのに問題ない村もある。その実例がスペインに何十と見られる「エコールデア」。ほとんどお金を掛ける事なく、家や庭園を徐々に再建していった。今やほぼ自給自足でほとんど金銭と無縁の生活をしている。

 「答えは既に出来上がった場に加わるのではなく、別の場所に同様の場を作り出す事です」。

 実際に始めるに当たって確かめておくべきことは、参加者全員が似通った哲学を共有している事と、グループ全体の利益のためにどう協力したらいいかを各自が理解している事。そしてただ個人的な問題から逃避したいだけではなく、何かを創出しようという意志がある事。できれば過去に一緒に生活したり働いたりして馬が合うと分かっているメンバーが望ましい。

 

(6)土地の購入

 もしもまとまった現金があるのなら、そのお金で以て貨幣経済から一片の土地を救い出し、贈与経済の中に戻してやる、と言う方法もある。

 それをコミュニティー農園の運営団体の手に委ね、共同管理すれば、地域の人々は食料やその他の生活必需品をお金を使わずに栽培する機会を得る。

 土地をコミュニティーの手に取り戻す手法には利点が多い。近所に住む者同士の交流が生まれる。スケールメリットが生まれる。コミュニティーのスキル、知識、道具等の資源を蓄積できる。装備の重複を削減、非金銭的な雇用が生み出される。真の共同体と相互依存(お互い様)の意識が芽生える。旅行に出かける時に作物や動物の世話を頼み合える関係ができる。地場産の有機野菜が無料で手に入る。とりわけ大事なのは原油価格の上昇、国内経済や国際経済の崩壊などの際にもコミュニティーが比較的速やかに平常に復帰できることだ。

 

第7章 住居

 僕がカネなしで暮らした時の家はフリーサイクル経由で手に入れた。トレーラーハウハウスだ。

 廃棄資材を使えば非常に安価又は完全に無料で住宅を建築、維持できてしかも我々文明化された軟弱な西洋人が慣れ親しんだ快適さを保つ事もできる。

 以下はカネなし住宅の主な種類についてのみ、それぞれの要点を紹介したい。

 

(1)スクウォッティング

 これは通常、当人が借りてもいなければ所有してもいない、概して使用許可さえ受けていない空間を占拠する行為を意味する。

 一般的なスクウォッティングでは長期間利用されずに放置されてきた街中の住宅や店舗を乗っ取り、従来の政治経済制度に囚われない生き方を目指す人たちのための交流センターや家に転用する。

 「育てようヒースロー」プロジェクトは建設的なスクウォッティングの例として高く評価されている。

 このスクウォッティングでは自給体制が確立された。食べ物を栽培し、ロケットストーブでお湯を沸かし、屋根で水を集め、太陽光と風力でエネルギーを作り、コンポストトイレを4つ作った。

 また重要なのがその地域に元からあったコミュニティーに溶け込み、欠かせない存在になった点。土地っ子とよそ者が一致協力し合い、有機野菜や果物を作り、イベントや研修が開催される場ともなっている。

 また、ロンドン警視庁の発表によると、荒廃した土地を「育てようヒースロー」のグループが占拠して以来、犯罪の発生率が下がった。

 

(2)ハウスシット(留守宅の管理)

 ある家の持ち主や借主に数日から数週間、場合によっては数か月間家を空けなければならない事情が出来て、後に残していく猫や犬や植物の世話が必要となる。間借り人を置くほどの期間ではないが、何かしらの手立てを考えなければならない。

 泥棒に入られる危険性が高くなるから無人にはしたくない、と考える人もいる。

 実際、僕は本書執筆期間中のほとんどをブリストル周辺のあちこちの家でハウスシッターをして過ごした。ある大邸宅に二か月いた際、唯一の務めは猫に1日2回餌をやることだった。

 米国では全く金を使わずに暮らすダニエル・スエロも一年の半分をハウスシットで過ごしている。

 ハウスシッター料を支払おうと言われる場合もあるが、その申し出は断って無償で引き受ける事を強く勧めたい。何事に関しても同じように、お金を介在させた途端に関係性を取り巻く空気がすっかり変わってしまう。

  

(3)洞窟

 ユタ州の洞窟で一年の半分を過ごすダニエル・スエロは非常に快適な生活だと語っている。

 

(4)ブラックハウス

 ケルト民族の地―特にアイルランドスコットランド高地など―に見られる伝統家屋。材料がその土地で手に入るものばかりでお金の必要がない。土間あるいは石板張りの床にセメントを使わずに土で固めた石積みの壁、垂木を葦又は麦藁で覆った葺き屋根と暖炉からなる。

 

(5)ストローベイル(藁のブロック)の家

 大部分が藁のブロックでできた家

 

(6)地下住宅

 マイク・エーラー著「50ドルからの地下住宅」

 

(7)円形住宅 デビットピアソン著「円形住宅」

①ベンダー

 間伐材の柱、帆布又はそれに類する耐水性の覆い、及び紐何本かで作れる。

②ラウンドハウス

 木の柱、土の壁、茅葺屋根。素晴らしい一例がイングランド南西部サマセット州のエコロジカルコミュニティー「ティンカーズバブル」にある。

③ゲル

 木の格子を円形に組み、帆布で覆う。古い絨毯や布団等を骨組みと帆布の間に詰めると保温性が高まる。

④ティピー

 アメリカインディアンの伝統的な住居。木の柱と防水性の覆いからなる。元々は動物の皮が使われたが、今日では帆布で代用する事が多い。

 

参考)コンポストトイレ

 コンポストトイレを強くお勧めしたい。このトイレは貴重な水資源を汚染しない。有機肥料を無料で作れる。水の使用量を削減できる。

 

第8章 食べ物と水

(1)野生の食の採集

 最初は経験豊富な人と一緒に歩き回って覚える事。人間が中毒を起こす植物はそうでない物と見た目がそっくりな場合が多いためだ。

 リチャード・マベイ著「無料の食べ物」

 

(2)轢死動物(交通事故死した動物)、魚介類、カタツムリ、昆虫

 

(3)農耕

 人類学者ジャレッド・ダイヤモンド「農耕の登場こそが人類に共通する生態学的・社会的・個人的危機の多くを引き起こしたのであり、農業という多くの意味での大災害から人間は未だかつて復興しておらず、農業は人類史上最悪の間違いである。狩猟採集者は人類史上最も豊かで長生きするライフスタイルを実践していた。我々は未だに農耕によって投げ込まれた窮地でもがき苦しんでおり、そこから抜け出せるかどうかも分からない」。

 「歴史的に見て農業は奴隷(農奴)制に大きく依存していた。現在では化石燃料に大きく依存している」。

 

(4)自家採種(種取り)と種子交換

 自分で種を取らない限り、貨幣経済の中で生き、その功罪全てを受け入れなければならない。

 スー・ストリックランド著「裏庭でできる自家採種」をお勧めする。

 自家採種は一旦方法を理解してしまえば易しい。本で読んだり実際に経験する内にすぐ覚えられる。

 

(5)多年生作物

 種取りよりもさらに良いのが多年生作物の栽培。多年生作物とは、一般に二年以上に亘って生きる植物。多年生野菜は毎年、冬越しした根から再度芽を出す。春に一から植え直す必要はない。

 多年生作物の利点

 ①一年生作物よりも手間が掛からない。

 ②急な傾斜地の土壌流出防止に利用できる。ひな壇状に整地する必要がなくなる。

 ③栄養素含有量が多い。

 ④耐病性に優れているので農薬がいらない。

 ⑤一年生作物が不足する時期の食料になる。

 ⑥異常気象に強い。

 多年生作物の欠点

 ①現代人の味覚に合わない事がある。要は美味しくない。

 マーティン・クロフォード著「多年生野菜の栽培法」

 

(6)有機栽培 

 金銭の介在しない食料生産体制は少なくとも有機(オーガニック)でなければならない。

 化学合成肥料を使う代わりに堆肥などの土壌改良材を使う事。農薬を使う代わりに共栄作物(コンパニオンプランツ)、輪作、なめくじ捕獲器、伝統品種の活用、有用微生物や益虫の育成などの方法を取る事。

 有機についての理解はお金によらない食料生産の核心をなす。言わば、カネなし生活一年生の必修科目だ。

 その手段として最初の内は講習を受けるか、関心のある手法を採用している農場でしばらくボランティアとして働くといい。ウーフの名簿は自分に合ったボランティア先を探すのに打って付けだ。

 

(7)バイオダイナミック農法

 ヒラリー・ライト著「健康的で美味しいバイオダイナミックの野菜作り」

 

(8)フォレスト・ガーデニング

 高木、低木、地被植物を組み合わせ、いろいろな農作物を一緒に栽培する方法。これはカネなし生活の中心に置くべき手法で、僕も今後の暮らしの核に据えて行くつもりだ。

 真に持続可能な栽培体系を敷くには一定割合の土地をシステム機能を持つ植物に割く必要がある。例えば窒素固定する植物(よって窒素肥料は不要となる)や病害虫を防ぐ植物(天敵を呼び寄せたり匂いで撹乱したりする植物)である。

 この体制は単一作物を栽培する大規模生産には向かず、必然的に小規模になる。

 

(9)不耕起農法   

耕さない農法

 

(10)ゲリラ・ガーデニング

 これは、ほったらかしになっている他人の土地を許可なしに耕作する方法。

 

(11)スキッピング 

 スキッピングとは、どこか(大抵はスーパーマーケット)のごみ箱に何らかの事情で辿り着いた食料品を救出する行為の事だ。米国ではゴミ箱ダイビングと呼ばれている。

 都市在住でお金を使わずに暮らしたければ、食品ロスの活用が重要な役割を担う事になる。密集した市街地では通常、必要な栄養分とカロリー量を賄うだけの栽培空間が足りないからだ。

 

(12)卵

 英国めんどり福祉トラストなどの組織を通じて、大規模養鶏場をお払い箱になった鶏の里親になる。養鶏場出身の雌鶏の大半は引退後も卵を産み続ける。

 

(13)蜂蜜

 蜂を飼ってみたいと思ったらまずは同じ地域の養蜂家の下で技法を習い、養蜂協会に加入して良書を1冊借りよう。

 

(14)保存食作り

 ピアーズ・ウォーレン著「自分で作る保存食」をお勧めする。

 保存用ガラス瓶が必要なときは近所の路上のリサイクルボックスを回収日の朝に見て回る。

 英国の庶民は工業的な加工処理技術や化石燃料が登場するはるか以前より食品を保存してきた。

 

(15)コミュニティー果樹園

 これは地域住民によって地域住民のために設立、維持管理される果樹園の事。公有地を管理する住民グループを募集している地方自治体は多い。

 

(16)アバンダンス・プロジェクト

 毎年何百本という果樹の実が収穫されていない。実がなっているのに気付かない、一度にたくさんなりすぎる、体力的に収穫できない、等の理由だ。

 この現実に対応するため、住民グループで活用していない果樹の持ち主と互恵的関係を結んで収穫させてもらい、余剰が出た場合は地域のカフェ、保育所、他の住民などにも配布する。

 

(17)水

 電動式ではない井戸。バケツで汲み上げる。又は自転車駆動式の井戸。雨水の収集。

 一部の湧き水は砂ろ過器(消耗部分がなくメンテナンスもほとんど不要)などで濾す必要があるため、最初に水質を検査するのが賢明である。最近の河川の水は汚染されている場合が多いので検査して確認しよう。煮沸消毒の手段さえあればその水も使えるかもしれない。

 

第9章 清潔と衛生

 石鹸なし男として長年暮らしてきた立場からの、衛生に関する最重要アドバイスは「水を使う事。水以外はなるべく使わない事」である。例外的な場合を除いて、これ以上はまず必要ない。

(1)入浴の方法

 POPモデル(前編第3章参照)の頂点に位置するのは、海、川、湖などを利用する事。

 

(2)ソーラーシャワー

 部屋の窓際に黒いビニール袋を設置し、太陽熱で温めるだけ。昼間中これを吊るしておき、夕方に浴びるのがお勧め。

 

(3)薪シャワー

 材料はフリーグル等の贈与経済ウェブサイトやスキッピングで手に入る。中古の暖房用ラジエーター2台と大きな酒樽があるといい。これらにシャワーヘッドを接続するだけ。

 

(4)風呂

 ホウロウのバスタブなら最近内装工事をした家の前でよく見つかるし、フリーサイクルに一言投稿するだけで返事を書ききれない位のオファーが殺到するだろう。

 杉材で出来た日本式の浴槽を真似て作ってもいいだろう。詳細知識を仕入れるにはベッキー・ビー著「最高のバスタブを作ろう」をお勧めする。

 

(5)洗顔ソープとボディーソープ

 洗浄剤に必要性が全くない事は人間以外の動物が証明している。数か月にいっぺんしか髪を洗わない人たちが声を揃えて言うそうだが、放っておくと髪の汚れは自然と落ちるようになるらしい。それは皮膚についても同じ。

 何年も前に石鹸の使用を止めた時、最初は確かに少し変な感じだった。シャワーを浴びながら体中に泡を塗りたくりたくて仕方ない。けど1~2週間経つとそんな気持ちは薄れた。肌も喜んで以前よりも調子よくなり、清潔を保つのに本来必要なかった物質への中毒症状も消えた。

 とは言え、僕が石鹸なしでやっていける主な理由は、普段から非常に健康的な食生活を送っているせいだ。全粒の穀物、果物、ナッツ、野菜、天然水、野草茶、ほぼそんな所。どれもオーガニックで新鮮。良い物を入れていれば出る物も悪い匂いはしない。ジャンクフードを入れていれば出る物もジャンクな匂いがする。単純な同理さ。

 コーヒーや炭酸飲料が好きな人、ヘビースモーカー、加工食品が好きな人は水だけで体臭を抑え、清潔を保つのは残念ながら難しいので、サボンソウを使ったらいい。サポニンが含まれていて溶液は今時の洗浄剤と同じように泡立つ。

 サボンソウは小川のほとり、湿気の多い森、生け垣でも採集できる。自家栽培も簡単。多年生で病害虫の心配もなく、乾燥した痩せた土でも育つ。世話も至って易しい。ただし、肥えた土地では瞬く間に広がってしまうので注意しよう。サボンソウはどんな肌質の人でも使える。素晴らしくマイルドな洗顔ボディー兼用ソープは自分で作れる。これは二番目にいいメイク落としになる。すっぴんのままで十分に美しいのだと認識することが一番のメイク落としだが。

 

(6)ハンドソープ

 木灰と水。

 

(7)デオドラント

 ベイリーフヒソップ

 

(8)尻とトイレットペーパー

 尻の水洗いは非常に理に適っており、多くの文化圏で行われている。

 トイレットペーパーの入手方法

 ①近所の新聞販売店に前日の新聞を数部もらえないか尋ねる

 ②松ぼっくり(分解しかけて柔らかくなっている物)

 ③草の大きな塊

 ④幅広の葉(毒のない部分)

 ⑤尖った部分のないなめらかな石

 ⑥コケ

 ⑦雪

 

(9)歯と口腔

 トマス・マグワイア著「歯の旅」をお勧めする。

 ①歯磨き粉

 僕の使っている歯磨き粉はフェンネルの種子とイカの甲をそれぞれ磨り潰して混ぜた物。イカの甲は砂浜で見つかる。集める前に下水が流入していないかを予め確認する事。野生のフェンネルの採集が難しい場合は庭で栽培する事もできる。

 ②歯ブラシ

 ビロードアオイの根とアルファルファの根。どちらも良質の剛毛を持つ植物である。甘草、ユーカリノキ、月桂樹、ニーム、モミ、ビャクシンなども使える。

 

(10)洗髪

 ライ麦粉、イラクサ、ゴボウで作れる。イラクサかゴボウのゆで汁にライ麦粉を混ぜるだけ。これを髪に塗って数分間置いてから洗い流すだけ。

 サボンソウのボディーソープはリンスインシャンプーとしても使える。

 

(11)カット

 フリーエコノミーサイトで無料で切ってもらう。又はセミプロに無料で切ってもらう。又は僕のように髪に別れを告げる―つまり剃り落してしまう―のもいい。手入れが楽で妙なシャンプーをこしらえる時間も省けるし、将来禿げても誰にも気付かれない。

 

(12)シェービング

 お金も電気も使わずに毛を剃るにはレザーカミソリが一番お勧め。石器でもいい。持ってなければ贈与経済のウェブサイトで見つかるはずだ。

 シェービングフォームに代わる石鹸は植物性あるいは動物性の脂肪に灰汁を混ぜて作る。(事故死した動物を使おう)

 

(13)衣類

 お金を使わずに衣類を洗濯する一番の方法は、体を洗う場合と大して変わらない。河原へ行く事だ。

 次に、完全にオフグリッドな洗濯手段の内、一番楽しい方法が木製の手回し式洗濯機。自転車で動かす遠心脱水機と組み合わせれば、無銭カラクリ装置が出来上がる。これにローラー式の洗濯物絞り機を併用してもいい。僕が使っている物はフリーサイクルで見つけた。

 

(14)洗剤

 ソープナッツ。僕もこれを使っている。インドやネパールでは何世紀にも亘って使われて来たものだ。自分で栽培もできる。ソープナッツでなくても代わりにサボンソウでも十分汚れは落ちる。

 

(15)皿洗い

 松ぼっくりや枯草を丸めた物。

 

第10章 移動手段と旅の宿

(1)POPモデル(前編第3章参照)の最上位は裸足で歩く事。

 

(2)その一つ下の段階が履き物の自作だ。

 ①古タイヤを切って底に使うゴム草履。この底に使い古しの絨毯を被せてもいい。鼻緒はビニール袋を溶かして再形成する方法がある。鼻緒は自転車のチューブでもいい。

 ②オランダ式の農民用の木靴

 

(3)ヒッチハイク

 ヒッチハイクのコツは笑顔でいる事。荷物は最小限の本当に必要な物だけに絞る事。友好的な態度を取る事。何となくいい印象を受けなかった時は断じて乗り込む必要はない。

 服装と持ち物

 ①合図に使うA4判の厚紙

 ②太字のペン

 ③明るい色で清潔感のある服装

 ④雨具

 ⑤小型の嵩張らないカバン(膝の上に乗る位)

 ⑥携帯電話

 ⑦道路地図

 ⑧飲食物

 適した場所と時間

 ①昼間がお勧め。合図の紙が見えやすい。

 ②待避場所や開けた空間の手前。車を停めるスペースがある場所の手前。

 ③車を寄せてくれたら走りましょう。相手を待たせてはいけません。

 ④ガソリンスタンド。乗せてもらえる確率が高いです。

 ⑤市街地から離れた場所

 ⑥大型イベント終了後の駐車場の出口

 

(4)自転車リヤカー

 古い子供用自転車のタイヤ、木の板など、ガラクタを寄せ集めれば自作できてしまう。

 

(5)グリーンタイヤ

 グリーンタイヤとはパンクしないタイヤの事。フリーサイクルやフリーグルで入手。

 

(6)100%木製の自転車

 

(7)カウチサーフィン

 旅行者をタダで自分の家に泊めるサイト。2012年時点で世界中に370万人の会員がいて、英国だけで15万人。

 

(8)野宿

 森でシェルターを作って野宿する。

 

第10章 オフグリッドの生活

 オフグリッドとは、電気ガス上下水道ゴミ処理などの公共サービスに依存しないで生活できる家を指す。

(1)ロケットストーブ

 ①ゴミ捨て場で見つかるL字排気筒

 ②食用油の一斗缶を近所のカフェや総菜屋で分けてもらう。

 ③灰などの断熱材

 これだけの材料で自作できる。

 

(2)薪ストーブ

 自作可能。

 

(3)コンピューター、携帯電話、その他の通信機器

 僕のPCは地元のフリーエコノミーグループのメンバーから譲り受けた。携帯電話はSIMカード入りのプリペイド式が1台あれば無料で着信を受けられる。このタイプを僕も3年使った。

 

(4)無料の通信

 インターネットに無料でアクセスできる場所に行って電話とビデオ通話の一切をスカイプにする。

 

(5)Linux

 リナックスを元にした無料のOS、Ubuntu(ウブントゥ)はマイクロソフトやアップルが販売する有料のOSの代わりとなる。ウブントゥは僕が過去に購入したどのOSよりも使いやすかった。

 起動時も使用中も動作が断然速く、安全で(お金のかかるウイルス対策は不要)、その上フリーエコノミーや贈与経済の思想にぴったり合致する。ここ20年ほどで人気が高まり、互換性のあるソフトもますます増えてきた。

  

第12章 教育

(1)在宅教育  

 図書館に教科書スタイルの問題集があるし、ネット上の学習用ウェブサイトにも事欠かない。

 教室の机に座って先生の話をノートに書き留める事だけが唯一の勉強法ではない。

 子供が夢中になれる事ならそれが勉強になる。子供は実地の体験から最も良く学ぶ。楽しいと感じた事は身に付いて忘れない。

 在宅教育実践者のブログが多数あり、支援組織も多数ある。これらのコミュニティーは日ごとに成長している。だから子供にしても親にしても孤立した在宅教育生活を送る必要はない。ウェブ上でネットワークを広げるなり、組織に加入すればすぐに仲間は見つかる。

 

(2)フリースキルの集い

 地元のフリーエコノミーグループでそれぞれのメンバーが持っているスキル1つずつを関心ある人たちに順繰りに全く無料で教え合う。週に1度あるいは月1回、丸一日掛けてあるいは晩の30分~2時間ほどコミュニティーの人たちにスキルを伝授する。会場を借りるのもタダ、メンバーが務める講師代もタダ、参加費もタダ。資金は全く不要。懐事情に拘らず誰もが学ぶ機会を手にする。

 分かち合われるスキルは、自動車の整備、日曜大工の基本、水回りの簡単な修理、野草の採集、編み物、オープンソースソフトウェアの使い方、パンの作り方、木のスプーンの作り方まで。

 この事により多くの友情が育まれ、コミュニティーの絆が強まり、時にはそこでの出会いから別の社会的プロジェクトが生まれたりする。

 

(3)カーンアカデミーとインストラクタブル

 これはフリースキルの集いのオンライン版に近い。

 

(4)ベアフット・カレッジ(インドのみ)

 このカレッジは、農村における諸問題に対する基本的なサービスと解決策を提供する。可能な限り自立した生活を送りながら、地域社会に貢献できるような技能を伝授している。サンジット・バンカー・ロイが1972年に設立。

 

(5)その他の教育機関

 フィオナ・カーニー著「親と教師のためのオルタナティブ教育ガイド」を手初めに参照するといい。

 

第13章 健康とセックス

(1)薬草医学

 薬草医学は「代替医療」と説明されるようになったが、当然ながら「薬草医学こそが本来の医学」である。薬草の素晴らしい所は、庭のごく限られた面積でも栽培できる点だ。

 今日でも多くの有用な薬草があちこちに自生しており、散歩がてらに摘む事ができる。野山の幸の採集と同じく、薬草を使う時も事前に経験豊富な人に相談するか、信頼できる情報源で確認する事。中には有毒な物もあるから。

 ゾーエ・ホーズ著「野生の薬」

 ジェームズ・ウォン著「ジェームズ・ウォンの誰でも作れるハーブレメディー」

 ゴールドバーグ著「決定版 代替医療ガイド」

 

第14章 衣類と寝具

(1)衣類交換パーティー

 君の服を気に入ってくれた人にあげて、同じ理由で持ち寄られた服の中からお気に入りを探そう。スウィッシングパーティースワップ・オ・ラマラマ。

 

(2)衣類の修理

 フリースキルの集い等でスキルや知識を継承していく。ゆくゆくは繊維を取る作物の栽培方法、及びその製造過程についても学んでいく。

 

(3)フリーショップ(無料の店)

 無料の店は、日常的に衣類を分かち合う為の素晴らしい物資調達システムである。棚の豊富な品揃えは仕入れ先(つまり僕や君)に依存する事をお忘れなく。サイズが合わなくなった服や、もう絶対着ないと分かっている品があれば、ぜひフリーショップに持ち込んで、必要とする誰かに役立ててもらおう。

 

(4)長期的な対策

 「季節ごとに機能上必要な数だけ、質の良い品を持つ」という新しい考え方に慣れる必要がある。

 

(5)ヘンプ大麻

 衣類にお金を使うのを止める為に原点に戻って自作しようという場合、英国在住者にお勧めな繊維の1つにヘンプ大麻)がある。これを取り締まる法律は間違っている。マハトマ・ガンディーがかつて言った様に「不当な法律にも従うべきだという迷信が存在する限り、隷属状態はなくならないだろう」。持続可能な生き方を法律違反にしてはおけない。

 ヘンプは扱いが簡単で、他の衣料用作物と違って大変丈夫で農薬の必要がない。土を肥やす働きがあるため、その養分を必要とする他の有用植物と混植できる。よって化学肥料も不要。密生して育つので雑草が生えにくい。暑い季節にも涼しく過ごせ、肌触りが柔らかい。耐久性もある。ロープの素材としても最適。種は優れた健康食品にもなる。

 

(6)イラクサ

 服作りに役立つもう1つの植物がイラクサだ。この英国にも津々浦々まで大量に自生している。なので栽培する労力も0。今日、イラクサでズボンが作れると言う話をすると、まるでサボテンで尻を拭けと勧めているかのように聞こえるらしい。だが、人間は何千年もの間、イラクサから衣服を作って来たし、16世紀に木綿に取って代わられるまで不動の人気を保ってきた事を僕らは忘れている。

 

(7)轢死動物の皮

 なめし皮を衣服に利用するには教えてくれる人に弟子入りするのが何より有益だ。

 大量の農薬を使って大量の虫や微生物を殺す事で作られた木綿の服を着るよりも、すでに事故死した動物の皮を使う事はビーガン度が高いのではないだろうか。

 

(8)敷き毛布

 羊毛の使い道は多い。服にもいいが、ベッド用の敷き毛布にするととても暖かくてお勧め。

 

(9)枕

 ガマの穂綿を入れるといい。これはマットにも椅子の座面にも使える。

 

(10)掛け布団

 フリーサイクルで完成品を手に入れる事ができる。中綿と布を手に入れて自作もできる。中綿にはウールが使える。

 

第15章 娯楽

 カネなし生活は退屈に違いないと思われているが、遥かに刺激的で楽しい。

 トム・ホジキンソン著「自由に生きる方法( How to be free )」

(1)楽器の製作と習得

 森の中にある物で太鼓が作れる。

 

(2)絵画

 植物から絵具や筆が作れる。

 

(3)路上パーティー

 「ストリート・アライブ」では、どうすれば誰にも疎外感や不快感を抱かせないパーティーになるか、助言を受けられる。

 

(4)酒

 アンディ―・ハミルトン著「タダ酒を飲む」

 タダで一番簡単に作れる酒はリンゴ酒である。飲めるリンゴ酒なら簡単でも美味いリンゴ酒にしたければリンゴの品種の洗濯に注意が必要だ。リンゴ酒と同様の原理でワインも作れる。リンゴの代わりにブドウを使うだけだ。

 

(5)ゲーム

 人類共通のボードゲーム人気はテクノロジーがいくら退行しようとも衰えを見せない。もちろん店で買う必要はない。自分で作ってしまえばいいのだ。

 

(6)オープンマイクのイベント

 マイクを参加者に開放するイベント。音楽分野だけではなく、語り、喜劇、道化、詩、操り人形等も楽しめた。出演者が集まってきて無償でパフォーマンスを披露する。

 

(7)映画

 以下のサイトは無料でドキュメンタリー映画が見れる。

 「トップ・ドキュメンタリー・フィルム」

 「フィルム・フォー・アクション」

 

第16章 始まりはすぐそこに

 ヘンリー・デイヴィッド・ソロー著「市民の反抗 他五篇」より

「仮に1000人が今年の税金を支払わないとしても、それは税金を支払う事によって州に暴力を振るわせ、無実の血を流させる事ほどには、暴力的で血生臭い手段であるとは言えないだろう。事実、もし平和革命が可能だとすれば、これこそ平和革命の定義である」。

 多くの法律は不当にできており、不当な法律に従うのはそのせいで生活を破壊される存在に対する不法行為である。