大学時代その１２ 日蓮の教え
※もう２０年も前の事を断片的で不確かな記憶を思い出しながら書いているため、正確な記述ではないことをご了承下さい。
大学にて。
川畑「俺、創価学会やってるんだよね」
大輔「創価学会って何？ 宗教だよね？」
大輔（あれはやっぱり宗教団体だったんだ…。）
大輔「ふーん。日蓮系なんだ…。」
川畑「俺もまだちゃんとやってるわけじゃないんだけど、今度先輩との集まりがあるから行ってみる？」
大輔「どんな先輩なの？」
川畑「いい人だよ。先輩だけじゃなくて高校のときの友達も来るし、日蓮の教えについてとか、いろいろ聞けると思うよ」
大輔「そうだね、じゃぁ、今度川畑と一緒なら行ってみようかな」
堀川先輩宅にて。
堀川「いやいやいや、どうも初めまして！堀川といいます。よろしく！」
大輔「あっはい…。」
堀川「川畑君から聞いたけど、仏教に興味があるんだね！」
大輔「はい…」
堀川「僕も川端君も前から日蓮の教えを信仰していて………」
堀川「………この信仰をやるとどんな願いでも叶うんだよ！」
大輔「えぇ！？どんな願いでもですか！？」
堀川「そうだよ。凄いでしょ？ 僕は小さい頃背が凄く低くてよくいじめられていたんだよね。でも信仰を持って一生懸命祈って、身長が１３ｃｍも伸びたんだよ。いじめもなくなったしね。内海君も身長伸ばしたいそうだね。内海君みたいに学ぶことから入るよりも、やっぱり体験から入った方が速いと思うよ。僕もまず最初は体験から入ったから。教えを学ぶのは後からでもいいと思うよ」
大輔「体験っていうことは、願いを叶えていくっていうことですか？」
堀川「そう。南無妙法蓮華経って唱えていくんだよ…。それでね……」
帰宅後。
大輔（堀川先輩は良い人だったな…。行って良かった…。身長が１３ｃｍも伸びたって言うのは凄いよなぁ…。本当に願いが叶ったんだな…。でも単に成長期と被ってただけじゃないのかな…。俺だって成長期には１３ｃｍ位伸びてたよ…。でも、本当に願いが叶ったらいいよな…。そんな南無妙法蓮華経を唱えるだけで彼女ができたら儲けもんだよな…。いっちょやってみるか…。とりあえず彼女を作るという目標と身長を１８０ｃｍまで伸ばすことを目標にしてみよう…。今１６０ｃｍだからあと２０ｃｍ…。身長なんてもう中学時点で止まっちゃってて高校以来１ｃｍも伸びてないけど…。大学に入ってからもしも２０ｃｍも伸びて１８０ｃｍになれたら、これはもう偶然じゃなくて信仰の力だってことが分かるし…。もしも１８０ｃｍまで伸びなかったら、川畑や堀川さんの信仰が間違ってることを証明できる。そういう反例を俺が一つ作ってやろうかな…。どんな願いも叶うなんてそんなの嘘に決まってるよ…。きちっとした反例を作るためにも、朝晩のお経はしっかりやらないとな…。）
それから約半年間、朝晩の勤行（ごんぎょう…日蓮の教えである法華経を唱える事）と唱題（しょうだい…南無妙法蓮華経というお題目を唱え続ける事）を実践することになった。
自宅にて。
「…爾時世尊（にーじーせーそん）。従三昧（じゅーさんまい）。安詳而起（あんじょーにーきー）。告舎利弗（ごーしゃりほつ）。…」
（いやぁ…。まさかこの俺が大学に入ってお経なんて唱えることになろうとはねｗ…）
つづく…。
